弁護士さんとの相談の日は、花さんもそちら方面に用事があるらしく、

同じ電車で行くことになりました。

 

1時間程で到着する駅まで、花さんと2人、人のいない車両を選び座りました。

花さんは、鞄からおもむろに1枚の紙を取り出しました。

 

おそらく相談する時間は限られているから、出来る限り聞けることを聞こう!

 

花さんが手書きの綺麗な字で、聞いた方がいいと思う事を箇条書きに書き出してくれていました。

 

まずは、離婚しない場合、法を使って私が出来る事は何か?

 

まだ離婚は、視野に入れていないからこっちを重点的に聞いた方がいいと思う。第3者が入ったからこそできる事を聞き出そう!一番は、慰謝料請求になると思うんだけど、私は、あまりこの方法はとらない方がいいと思っているんだよね。さやちゃんVS夫&女みたいになりたくない!

でもとりあえずこの部分も聞いてみよう!

 

それから、もう関係を結ばないように約束できる事って何かあるのかな?誓約書的な物を書かせるとか・・・。なるべく法的拘束が高い方がいいんだけど、その辺も聞いてみよう。

花さんは、小声でずっと私にアドバイスしてくれました。

 

最後は、とにかくさやちゃんが聞いてみたいことを聞いてみるのがいいよ。こっちは素人なんだしさ分からないものは分からないってことで聞いちゃいな。

と言って私の背中を押してくれました。

 

駅で降りると、ホームには、冷たい風が吹いていました。

降りた人達は、コートをしっかり羽織り、マフラーで口元を隠しながら、足早に階段に向かっていきました。

その先に行く花さんは座ったまま頑張ってね!大丈夫!と笑顔で手を振って勇気づけてくれました。

 

発車した電車を最後まで見送り、ふぅーーーーとため息をつきました。

自分がすごく緊張しているのが、分かりました。

花さんに言われたことを言う自信がありませんでした。

こんなにぎりぎりにもなっても、私はまだはっきりと何が聞きたいのかちゃんと整理できておらず

行くことにも正直ためらいがあったのでした。