翌日は、だんだんと頭痛がおさまっていき快方に向かいました。
相変わらずのだるさはあったものの、会社に行くことが出来ました。
夫は、あの一件以来、出張時に女と会う事を躊躇し始めました。
今度の事なんだけど、俺たち会わない方がいいかも・・。
えーーなんで??
嫁が感づいているかも・・・。
どういう風に?
泊まりで行かないでって言ってきた。体調もかなり悪そうだし、このまま決行してバレたら、まずい事になりそう。
まずい事って?
今でもおかしい嫁が、もっとおかしくなるかも。
ふーん。あなたは、嫁が心配なんだね!嫁嫁嫁ってさっきからそればっかりだね。
そーじゃない!Aと一緒にこれからもずっといるには、バレたらダメでしょ!!
で?だれが一番大切なの?
もちろんAだわ!大切だから、バレたら一緒にいられない!!
不毛なやり取りは、この後も続きました。
女もこのチャンスを逃すと、泊まりでどこかへ行くことはだいぶ先になってしまうと思ったのでしょう。かなり粘っていました。
夫も迷っているようでした。
私は、2日間くらいは、それなりに過ごせていたと思います。3日目あたりから、また尋常ではない体の異変が訪れました。
出張のことなのか、不倫されていることなのか、原因ははっきりしませんが、自分でも対処できない不安感に襲われ、夜何度も目が覚めるようになりました。今思うと、薬を急に断ってしまった事が大きな原因だったのかもしれません。
やる気のない私が、拍車をかけてやる気を失っていきました。
ダメだ・・。会社に行けない・・・。
電話を手にとっていました。その相手は、錦戸君です。
もしもし・・・。急きょでごめんなさい・・。有休使いたいんだけど・・・。
なにかありましたか・・・・・?
うん・・・。ゴメン会社に行く気力がないみたい・・・。
それ以上錦戸君は何も聞きませんでした。
・・・・。わかりました。こちらで対処します。とりあえず3日間休んでください。
ありがとう・・・ごめん。
電話を切ると、夫にまたこどもを頼み、体調が悪いから会社を休む事を伝えました。
不機嫌そうな夫は、小さく頷くと冷たく出勤していきました。
静まり返った部屋のソファで、私は3日間ただただ廃人と化すのでした。