電話で、内容は簡単には聞いていましたが、会長が次に私の会社にいらっしゃった時に、詳しく経緯を聞きました。

話があると呼び出したAさんは、最初何の話ですかぁ?また会長いい話持って来たんですかーお願い
といつもの馴れ馴れしい感じだったそうです。

さや君からきいたんだけど、夫君と君が男女の関係らしいのだけど、それは、本当かな?

・・。・・・・・・・・・・・・・・。

みるみると女は、表情を変えたそうです。
そして、

いえ。違います。部下としては面倒みてもらいましたが、男女の関係なわけないですよ!奥さんの思い違いですね。

と話したそうです。

ほぅそうかぁ。

そうですよ。バカバカしい。

では、私とあなた2人だけの話をしましょう。ここでの嘘は、絶対認められませんよ。嘘をつくとはどういう事かあなたが一番分かっているでしょう。

あなたと夫君は男女の関係なのかな?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

女は、考え込んだそうです。何度も首を傾げたり、頬杖ついたり、長い時間無言の時が続いたそうです。

無言の壁を女自ら、こう破りました。

はい…すみませんでした。夫さんとはお付き合いしていました。でも、もう会っていませんし、奥さんが知ってらっしゃるなら、もう金輪際接触はいたしません。

会長は、不倫は何もいい結果をもたらさない事、もしこの先お互いに離婚になるようなことがあったら、あなたたちは、会社の信頼はおろか、人格を失いますよ。

と話してくれたそうです。

女は、すみませんでした。と言うと自分の身の上話を始めたそうです。

自分たち夫婦は、仮面夫婦だと言うこと、旦那が脳溢血で倒れてしまいそれから、麻痺が残り半分介護状態だと言うこと、夫には、色々サポートしてもらいつい心が動いたなど、饒舌に話したそうです。

女も、寂しさと孤独を抱えていたのでしょうか。

でも、相手の気持ちを考える思いやりを持って欲しかった・・そう思いました。