瑪瑙化した巻貝化石 | 天氣後報

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新生代始新世


モロッコの新生代始新世の地層から産出した巻貝の化石です。



天氣後報-メノウ化した巻貝化石



天氣後報-メノウ化した巻貝化石

オリジナルの標本箱に入れました。

(お届時のランクの目安としては、写真の下の5つのうち真ん中が簡易パッケージ用。右の2つが店頭用。その他が箱入り仕様です。)


これはビカリアの仲間で、ビカリアが瑪瑙化したものは「月のおさがり」という俗称を持ちます。

琥珀色のものは瑪瑙だとわかりますが、白っぽいものも、よく観察するとうっすらと内部が半透明の琥珀色をしています。

これは貝の内部が瑪瑙化した(瑪瑙が充填した)もので、貝殻ではありません。


一般的なものは、もっととぐろを巻いたような形なので、岐阜県瑞浪市の日吉・月吉という地区では、お日様・お月様が、用を足したもの(う○ち)であると考えられていて、それで「月のおさがり」というわけです。


この俗称は江戸時代の『雲根志(※)』にも記述があります。


鉱物・化石など石の研究者木内石亭が全国から集めた標本をその形態や由来などによって 「霊異類」「采用類」「変化類」「奇怪類」「愛玩類」などに分類し、それぞれに挿絵を加えて解説した本。

安永2(1773)年『雲根志』前編を発行、7年後の安永8(1779)年に後編を、更に補遺として享和1(1801)年に三編を発行しました。

『雲根志』の雲根とは、中国の古語で、「雲は石間より生ずる」という言葉から。

雲母も同じような発想で、雲の母(この母もMotherではなく、素という意味)なので、昔の中国では石が雲の素だという考え方はかなりポピュラーだったのでしょう。