深夜。入手したモルフォ蝶の翅を剥がす(接着されてしまっているので)作業やら、どう仕立てるのが一番きれいで、翅が傷まないかなど、試作してみました。
モルフォ蝶の翅が青く輝いているのは、その鱗粉のためです。
鱗粉がそういう色をしているのではなく、構造色と呼ばれるものです。
構造色もさらにいくつか分類することができます。
(1)薄膜干渉
(2)多層膜干渉
(3)回折格子
薄膜干渉とはシャボン玉の表面などに見られる虹色で、薄い膜の表と裏から反射した光が干渉しあうものです。
多層膜干渉とは、薄い膜が何層にもなっていて、それぞれの膜が光を返してくるため、その深さによって色が異なって見えるもので、オーロラペーパーの虹光沢などがこれにあたります。
回路格子とはとても小さな構造が規則正しく並んでいる際、穴を通してきた光と、その屈折、さらに構造が反射する光などがそれぞれ複雑に干渉しているもので、CDに見られる虹色がこれです。
また、構造による色という意味でプリズムなども構造色に分類されます。
では、モルフォ蝶の翅の青色はどれに分類されるかといえば、長い間、(2)の多層膜干渉と言われていました。でも、多層膜は見る角度によって反射する光が変化するので、単純に考えれば青色以外にも色が変化しなければなりません。
・・・と、長くなりそうなので、この話の続きはカフェで行うことにして。
モルフォ蝶の青色は鱗粉の並び方により、多層膜干渉に光の回析現象が加わり、そこに蝶が持つ本来の色素が関係して、こんなに鮮やかな青色を呈しています。
ここで、ローマングラスのことを思い出します。
ローマングラスが纏っている虹色は、表面の銀化によるものです。
ローマングラスを透かしてみると、虹色(パティナ)は消えて、本来の硝子の色を確認できます。
同様に水に浸してもパティナは消えます。
これは、ローマングラスの虹色が光の干渉によるものであるからです。
それならば、モルフォ蝶の青色はどうでしょうか。
モルフォ蝶の研究者によれば、アルコールのなかに入れると緑色に変化するそうです。
光の屈折率が変わるためです。
アルコールより屈折率の少し高いトルエンに入れると茶色になるそうです。
ローマングラスを水に入れた時のように、モルフォ蝶の翅の青色光沢も何かに入れると消えるのか。
そんな実験を深夜にやっていました。
結果は予想どおりでした。
実験はレジンで行ったのですが、美しい青色の
翅の断片が茶色にしか見えません。
ただ、その後、レジンが硬化する前に浮かんできて、レジンから出た部分は青く光っています。
これは接着剤などでも同様でした。
それでまずはミニチュア試験管入をいくつか作った次第です。
その後、プレパラートや検眼レンズにカバーグラスでつけてみたりしましたが、少し前に仕入れていた硝子の滴が使えることを発見!
青い翅の断片と、ドーム型の硝子と、アルミ缶がいい雰囲気でマッチしています。
小さなパーツと小さな硝子滴もこんな感じ。
よく見ると小さな時計の形をしているパーツ(上の写真のものより少し大きい)。
これもいい感じです。
そして色。↑上の写真だと青色です。
写真だとわかりにくいのですが、この角度だと半分くらいがグラデーションで紫になっています。
そして、この角度だと、写真では黒っぽく見える部分が肉眼では緑色に見えます。
ミニチュア試験管入標本は今日からきらら舎にて販売します(明日のSora*Iro Cafeでも販売します)。
その他のものは、入れる翅の断片に差があるので、来週の月光カフェで店頭販売します(価格はそれぞれことなります)。
なお、8月26日(日)も時間は短いですが、少しだけ営業していますので、モルフォ蝶(の翅の断片)にご興味がある方はどうぞ!
夏休みの宿題などにも使えるものを他にもご用意しています。
http://www.cafesaya.net/cafeguide/saturday