オニクルミの化石 | 天氣後報

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今日は化石を2種類。


まずはオニクルミの化石です。

宮澤賢治の『銀河鐵道の夜』に登場します。

(近日中に「銀河標本室 」も更新してオニクルミ、アップします)


今から約300万年前、第三紀・鮮新世、Plioceneのものです。

『銀河鐵道の夜』でもクルミはプリオシン海岸にあります。


「おや、變なものがあるよ。」カムパネルラが、不思議さうに立ちどまつて、岩から黒い細長いさきの尖つたくるみの實のやうなものをひろひました。
「くるみの實だよ。そら、澤山ある。流れて來たんぢやない。岩の中に入つてるんだ。」
「大きいね、このくるみ、倍あるね。こいつはすこしもいたんでない。」


二人が「ぎざぎざの黒いくるみの實」を持って、何か掘っている人のところへ行くと、その大学士らしい人がいいます。


「くるみが澤山あつたらう。それはまあ、ざつと百二十萬年ぐらゐ前のくるみだよ。ごく新らしい方さ。ここは百二十萬年前、第三紀のあとのころは海岸でね、この下からは貝がらも出る。いま川の流れてゐるとこに、そつくり鹽水が寄せたり引いたりもしてゐたのだ。このけものかね、これはボスといつてね、おいおい、そこ、つるはしはよしたまへ。ていねいに鑿でやつてくれたまへ。ボスといつてね、いまの牛の先祖で、昔はたくさん居たのさ。」


今回アップするものは2つ。

一つは大きくて黒が濃いもの。ちょっと細長いです。


A


天氣後報-オニクルミの化石


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もう一つは丸っこくて、Aよりは少し小さく、茶色です。


B


天氣後報-オニクルミの化石


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