本日より鉱物フェア分のきらら舎アップを開始します。
まずはスターマイカ。
A
B
白雲母の画像を撮影して送らなければならないことがあって、いくつかの形状のものを撮影して送ったところ、黒っぽい白雲母は「これは黒雲母ですか?」と聞かれたり、スターマイカについては加工してあると思われたようで、鉱物は難しいのだなあと感じました。
ちなみにこの星型は貫入双晶した状態です。
一般に固溶体を成す鉱物のグループでは中間のモノが存在します。しかし、白雲母と黒雲母にあってはイオンの配置が少し異なるせいで中間の雲母は存在しません。でもたしかに、白雲母には白っぽいものと黒っぽいものがあります。
天然に存在する鉱物に純粋なものはほとんどありません。鉱物倶楽部理科時間の「水晶」の時にも話したとおり、鉱物を蒐集して愛でる人間にとって、「人工」という単語は敵視すべきものである場合が多いのですが、人工水晶の場合は、天然の水晶が純粋ではないため、工業用(水晶振動子)に使う純粋な水晶は人工的に作り出すしかないわけです。
それでも珪素と酸素を化学的に混合して作るわけではなく、ラスカと呼ばれる石英を溶かして再結晶させて作りますので、人工と言ってしまうのも少し違うのかもしれないと思ったりします。
天然の鉱物が魅力的なのは、もちろんもともと、その鉱物が持つ性質や色や形によるわけで、微量に含まれているその鉱物以外の成分が、実際には、その魅力を引き出していることが多いのです。
白雲母も微量に含まれる、あるいは混入している雲母を形成する成分以外のものによって色が微妙に変わってくるというわけです。それと紫外線などの影響によっても産地で色が異なりますし、層になっている状態によっても標本全体の色が違って見えます。