ステルクララの森には一晩では数えきれないくらい昔から、妖精と呼ばる種族が棲んでいます。
妖精たちはそれぞれの「血」に引き継がれた役目を担っていて、ある家はすずらん、ある家はすみれと、多くは
動けない花や樹木の伝達や身の回りのお世話をするのが仕事です。
妖精たちはそうしてお世話をした花や樹から蜜や木の実を分けてもらって暮らしています。
妖精たちはみな背に薄い翅を持っていて、それらは「家系」によって少しづつ異なっています。
この鱗粉は光る種のキノコの世話をしている妖精のものです。キノコの胞子を運んだり、お互いの成長を妨げるような場処に生えてしまったキノコを移動したりと、キノコの世話も大変です。中でも光るキノコの世話で一番大変なのが、太陽の光を集めてキノコたちに振りまくことでした。光るといってもキノコなので森の中の、それも陽が届かない薄暗い処で育ちます。ただし、一度フィルターにかけて、柔らかくした少しの光がどうしても必要なのでした。そこで、妖精たちは自分の翅に光を集め、それを森の奥まで運びます。そして翅をフィルターにしてキノコたちに振りまくのです。
こうして柔らかな光をもらったキノコたちは夜になると森のあちこちで、常夜灯のように光り、暗い森の道を
照らすのです。
キノコの命がやがて尽きると、妖精たちはそれを石化して螢光石とよばれる石を作ります。
いつしか、この家系の妖精の翅の鱗粉には不思議な光が宿るようになりました。
この標本は、その鱗粉を集めたものです。
ミニチュア試験管に詰めました。
ラベルは、最近、次回ドールセットのせいでエストニアにはまっているため、エストニア語です。
それ以外の意味はありませんが、ドールショウ&市議会薬局の撮影カフェ&一般公開日に秘薬に仕立てて販売予定なので、エストニア語、、、、です。
明後日の豆本カーニバル用に燐寸箱仕立てにしました。
前述の作り話も付いています。
この粉の正体はローマングラスです。
大量のローマングラスを大きな箱に入れて分類する際に、表面の銀化が剥離したものです。
表面に付着していた泥や欠けた破片なども入っています。
(試験管には必ず硝子の欠片も入れています。)
故意に剥がしたり割ったりしたものではないので、大量のローマングラスを長い間扱う中で少しだけ採れるものです。