【虹水晶/Rainbow Quartz】Ajanta Minas Maharashtra, India
透明度の高い方解石、天青石、水晶などには内部に虹の輝きを見ることがよくあります。
これは標本の内部の、結晶の断裂、つまり微細なひびによって作られる「虹」です。
しかし、ここの産地の水晶に見られる「虹」はそれとは異質。
ちょうどサボテン水晶のように小さな結晶が密集している標本で、角度を変えるとそれぞれの結晶が、まるでミラーボールのようにきらきらと輝きました。しかも、その輝きは青や紫や翠といった鮮やかな色をしています。
この産地は紫水晶が多く産出されていて、虹水晶も恐らくは一緒に採掘されていたと考えられますが、これにスポットライトをあてたのは、アメリカのジャック・ローウェル氏です。その後、インドのノーベル物理学者C.V.ラマン博士がこの石について論文を書いています。
ラマン博士はラマン効果(RamanEffect)というものを、今から82年前のちょうど昨日(今日付が変わったので、もう一昨日になってしまいましたが)、発見しました。
物理的な説明はともかく、とにかく水晶の標本の上で踊る、色とりどりの光は美しいです。
ただ、角度によって光ったり光らなかったりするので、撮影が非常に難しく、かといって複数の光源をあてて撮影するのも嘘くさい気がしたので、あくまでも自然光で撮影しました。
中にピントがぼけているものがあるのは、そのほうがイリデッセンスがよく見えたから、、、です。
B
散乱光の中に入射光と異なる波長の光が混じっていることを発見しました。