パライバトルマリン | 天氣後報

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鉱物写真は基本的に、天気のよい午前中に自然光で撮影します。

でも、ちょうどセットしていた時に電燈に透かしてみたら……


……これはこれで結構きれい。


……と、いうわけで、ちゃんとした写真は明日の朝に撮影するとして、今夜は電燈で撮影したややノスタルジックな陰影の写真にて、パライバ電氣石を紹介したいと思います。


「パライバ」というのはブラジルの州の名前で、ここにはパライバ鉱山という有名な鉱山があります。

この鉱山で1989年に鮮やかなブルー~エメラルドグリーンを呈する電気石が産出されました。


今回はツーソンショーの仕入れでのものですが、一番最初にこの美しい電気石が紹介されたのが、1989年2月のツーソンショーでした。朝、出品されたパライバトルマリンはその日の終了時間には、最初の価格の25倍に上がったという話は、この石の伝説のようになっています。


いろいろな業者さんと出会う中でそんな話だけが耳に入ってきて、「いつか手にしてみたい鉱物」の一つとして、写真でしか見ることができない(しかも、宝石としてカットされたものばかり)その色に長い間憧れていました。


「パライバ電氣石」、というのは個人的な呼び名で、宝石としてカットされて出回っているものは「パライバトルマリン」という宝石名で呼ばれることがほとんどです。そして、その色は「ネオンブルー」「エレクトリックブルー」「エメラルドグリーン」……と、実に魅力的な色名で表現され、1ct単位での宝石の価格では現在一番高いのだそうです(原石価格)。


憧れ続けて数年後、アフリカでパライバトルマリンによく似た電気石が発見され、成分的にも似ていたため、パライバトルマリンとして市場に出回るようになりました。


パライバ鉱山のパライバ電気石はほぼ1年で枯渇したともいわれていて、産出量からしてもアフリカナイジェリアのものが多いので、これからはナイジェリア産のものがますます多く出回ると思いますが、ブラジルパライバ鉱山で採れたものに比べて、色が薄く、やっぱり、「パライバ」の名前はパライバ鉱山で採れたものだけにしてほしいと思います。


実は、この銅を含んだ電気石は数年前からきらら舎でも扱っていました。

でも、パライバ電気石と呼ぶものではないと、「含銅電気石」としています。


今回、ちょっとだけ「パライバ電気石」って呼んでもいいかなと思う色が含まれているので、この名称でミニチュア試験管入標本を仕立ててみました。

もう少し時間ができたら木枯らしのエチュードに入れてみたいと思います。



天氣後報-パライバトルマリン/きらら舎


天氣後報-パライバトルマリン/きらら舎


天氣後報-パライバトルマリン/きらら舎


自然光で撮影した写真


天氣後報-パライバトルマリン/きらら舎


天氣後報-パライバトルマリン/きらら舎


天氣後報-パライバトルマリン/きらら舎

中でも小さな粒で鮮やかな色のものを選り分けて、木枯らしのエチュード用にしました↓


天氣後報-パライバトルマリン/きらら舎