昔の活字デザイン/花いろいろ | 天氣後報

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東京の隅っこにある小さなカフェ周辺の人・事・モノ

寒露の今日。

時折強く降る雨。

普段でも薄暗い活字屋さんの倉庫は一際暗かったのですが、そんな中で活字を探していました。

もう鋳造はできないという活字箱をいくつか、埃にまみれてキープしてもらっています。

ずいぶんと買い取ってしまったので、箱には空になった列が並んでいます。



きらら舎活字

小さな蔓性植物。



きらら舎活字

これは幼い頃に書いた、花壇のお花みたいです。



きらら舎活字

そして梅花。



きらら舎活字

これは思いの他素敵でした。多分八重桜です。


活字のマークは職人さんがすべて手で彫って型を起こしたのだそうです。

この桜花が作られた頃には、日本の花は今ほどたくさん種類はなかったので、きっとこれは誰が見ても桜花だったでしょう。

しかし、現在、世界中の花が輸入され、改良で年々新種が作られている時代にあっては、これは違う花にも見えます。


花のマークと一緒に扇のマークも入荷しました。



きらら舎活字

扇子の中骨の一本一本まで繊細に彫られています。


現代ではパソコンで、拡大した状態で作図してから実寸に縮小すれば鮮明なデザインも簡単に作れますが、機械が進歩すれば、職人技は無くなっていくのだなあと複雑な気持ちになりました。

(かといって、もう今の便利な生活からは脱却できないのですが)