白雲母標本壜 | 天氣後報

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きらら舎 の活版印刷室に今夜アップする予定の「雲母」です。
鉱石をぺりぺり剥がすのは楽しく、白雲母をぺりぺり剥がして標本壜に入れてみました。今日はあいにくの雨ですが、それでも壜を空に翳してみると、薄い白雲母の欠片がきらきらと輝きます。これに小さな小さな6ポイントの活字で「雲母」と捺してラベルを作ってみたり。
雨の日ならではのまったりした時間です。


そもそも雲母と書いて「きらら」と読むのは中国語の「雲母」と日本語の「きらら」の、結果的な当て字のためです(両方とも同じ鉱物の名称です)。きらら舎のきららも「雲母」の「きらら」です。


中国で鉱石の「雲母」に、なぜ雲の母などという名称を付けたのかといえば、中国にはとんがった岩山が多く、その天辺には大抵、雲を纏っています。雲は岩の精気から生まれると考えられていて、中でもぺりぺり剥がした雲母は軽い上にきらきらと輝き、いかにも雲の素のように見えたのでしょう。 地上から岩山の頂上付近を眺めた時に山に寄り添いたなびく雲は、岩から生まれた子供達……なのですね。

月光舎からきらら舎へ名称を変更する際に、蛍石でも水晶でもなく雲母を選んだのには、その響きの美しさにもありますが、所有の真空管のコレクションに雲母が使われているものを見つけたからということも理由の一つです。
白雲母が絶縁体として優れている上に耐熱性もあるため、真空管に採用されたのでしょう。
そんなわけで、きらら舎とは縁の深い白雲母を、もう少しぺりぺり剥がして、標本壜を満タンにしてみたいと思います。