きらら舎 「第弐標本室」をようやくアップしました。
これはそこへ並べたものの一つ。
雷管石(【Fulgirite】)。
石英を多く含む沙漠への落雷により、周囲の砂が溶かされてすぐに冷えて固まってできた天然硝子です。
雷は雨を伴うことが多く、濡れた砂に雷が落ちると、砂漠の表面から地中に向かってこんな管状の石ができるのです。
内部の空洞は6億ボルトの高圧で電流が流れた痕。
石英の溶解温度は1710℃なので、これを一瞬で溶かす雷のパワーを思うと、自然はすごいとしか言えません。
この石をどのカテゴリーにアップするか、結構悩みました。
化石でもないし、隕石でもないし、鉱物でもない。
結局、鉱物以外の標本をまとめて置いておく部屋第弐標本室 に「その他」のサブカテゴリーを設けておいておいたのですが、同じように悩んだ学者もいたようです。
フランスの鉱物学者アルフレッド・ラクロアーは、隕石でもなく化石でもなく、鉱物ともちょっと違うこの石を特別な石として、ルシャトリエ石と名づけました。
ルシャトリエはフランスの学者で、「ルシャトリエの原理(平衡移動の原理)」として高校の化学の教科書で見かけたことがありますが、ルシャトリエさんは、まさか石の名前に使われているなんて思っていないだろうなあ。