あまりに小さい粒なので、どうパッケージしようかと思案したまま、忙殺の末、忘れ去られていたもの。
真っ赤で小さいながらも正八面体をしています。角もきっちりと尖っていて、尖晶石という和名そのもの。
ちなみにSpinelはSpine(とげ、イバラの意味)に由来しています。
スピネルはアルミニウムとマグネシウムの酸化鉱物で、本来は無色透明です。赤がよく知られていますが、これはごくわずかに含有される鉄とクロムの不純物に因ります。レッドスピネルはルビーの代用品にされることも多く、時にわざとではなく、本当にルビーと間違えて使われることもあり、いろいろな逸話が残されています。中でもイギリス王室の王冠の話は有名です。
スピネルは赤以外に、含有する成分によってはラベンダー色や青色を呈するものや、キャッツアイ効果、カラーチェンジ、スター効果などを呈するものもあります。
以前。まだ学生だった頃、コバルトを含有しているというものを見せてもらったことがあり、それはそれは美しいブルーをしていました。ピンクにカラーチェンジするのだという話でした。
その後、出逢うブルースピネルは青というよりややくすんで黒っぽい藍色のものばかりです。
いつか、あの時のような美しいブルーのコバルトスピネルにまた会いたいと思います。