2月2日(火)の報道は、自分たちの結婚がニュースに取り上げらていて、夫婦で驚いていました。
私達も、良い時が来て、準備が整えば、皆様に結婚した事をご報告出来ると思っていましたが、多少なりと準備不足(説明不足)だったと思っています。
実は、正直、結婚の報告をするかどうか、迷っていた時期もありました。
ですが、10年も一緒にいる彼の存在を明かせないでいるのは、自分の中で、一番伝えたい部分が伝えられないもどかしさもありました。ですから、ある意味、こういった形でも、皆様にご報告出来て、正直、精神的にすっきりしています。
何はともあれ、心から、沢山の祝福のお言葉を頂きまして、誠にありがとうございます。
それに加え、記事やニュースにして下さって頂き、誠にありがとうございます。
ご報告のメッセージは少々焦って書いてしまい、言葉足らずでしたので、もう少し『彼と私』についてお伝えしたいと思います。(笑)
Twitterにも書きましたが、彼の事をこれからどの様に公開して行けるのか、自分の中で模索して行けたらと思いますので、曖昧で不完全な書き方であっても、彼のプライバシーを尊重しての上ですので、ご理解頂ければと思います。
少し長文になりますが、最後まで読んで頂けたら幸いです。
彼とは、10年前の20歳の夏、知人の紹介で出会い、お互い一目惚れでした。
当時、彼は学業とバンドを両立しながら、有名な芸能事務所に所属し、ミュージシャンになる為の夢に向かって頑張ってました。
私もライブ会場に足を運んでは、彼のバンドを応援したり、少々遅めの青春を味わっていました。
車の免許を取ってからは、車の中で音楽を聴いてドライブして、何をするにも一緒にいたくて、彼の好きなバンドを詳しくなりたいと思って、覚えたりもしました。
メンバーの皆、そして事務所の方々も含め、メジャーデビューを目指して頑張っていましたが、残念ながら、何年もの活動の末、解散してしまいました。
その後、彼は日本にあるアメリカの大学に戻り、卒業の後、日本の某有名大学の大学院に行き、その頃二つ目のバンドを結成しました。
私も丁度その時期、自分のキャリアにおける転換期を迎えていまして、本当にお互い忙しく、すれ違いも含め、色々な事がありました。
そして彼の二つ目のバンドもまた、東京のインディーズシーンでライブ活動を行い、自主制作でミニアルバムも制作しました。
お互い、何かと抱えながら、もう今しかないと思い、結婚に踏み切る事を決心しました。
勢いに乗せ、2010年9月19日に婚姻届けを提出出来ました。
その来る秋、舞台の巡業と写真集を控えていた私は、先方の方々の事も考慮しつつ、いつ結婚の発表をするか等を自分の中で伺っている最中でした。
そんな中、式など細かな事に気を取られていたら、東日本大震災が起こり、全くもって、それ所では無くなってしまいました。
自分が生きている中、こんな規模の地震が東北を襲い、福島の原子力発電所が爆発し、放射能が漏れ出す事態が起きようなんて。
東京で震度5強の地震を3匹の犬を抱きかかえながら、ただひたすら、旦那の名前と神様、と叫ぶ事しか出来なかったなんて。
こんなにも自分が、ただ、ただ、無力でちっぽけだと思うなんて。
私達は、想像を超える出来事の数々を前に、日本中と同じ様に、深いショックを受け、事の大きさを消化しようとしながらも、ただ目先の仕事や責任に、没頭するしか出来ませんでした。
間もなく、彼の二つ目のバンドも、日本の事、メンバー各自の仕事や、個人の思いもあり、残念ながら解散してしまいました。
そして、丁度、彼が大学院の卒業目前の夏に、7年半一緒に生きて来た、私達の大切なペキニーズ『キャンディ』が急死してしまいました。
そしてまた、まるで後を追う様に、保護してから6年一緒だった、シーズーの『レディ』の癌が悪化し、勇敢な闘病後、亡くなりました。
たとえ犬であっても、私達夫婦にとっては家族でした。
その悲しみの感じ方は、人それぞれ、違うかも知れませんが、私達にとっては、本当にこんなに辛い事はありませんでした。
未だ二人とも様々な出来事から完全に立ち直れていませんが、幸い残されたとっても勇敢なパグの『マフィン』もいるので、前に進もうとしています。
結婚に関しては、12歳からお世話になっている事務所の社長に、結婚の報告をした時も、とても喜んで下さっていました。
10年来の専属マネージャーも、本当に祝福してくれました。
私の父も亡くなる前、最後に会った時にも「俺は彼が良いな。」と結婚する事を進めてくれました。
もちろん、今もいる私達の親族も友人も祝福してくれました。
結婚の発表も、あまり飾れる様な、華やかな二人の今ではありませんが、最愛の人と結婚出来た事は、本当に幸せです。
私達夫婦は、二人で一つの存在だと思っています。人種も国籍も関係ありません。
社会の一員として、いずれは欲しい、彼との子供の親に成る為にも、日本とアメリカ、両方の文化を、子供に伝えて行けたらと思っています。
今は、愛犬を亡くし、震災から一年経とうとしている中、まだまだ不安もあり、完全に元気な状態とは言えませんが、これからは、本格的に英語を勉強し、今後も演技を勉強しつづけ、彼の分の夢も背負い、女優として、主婦として、そして、いずれは立派な母親として、家族で愛を育んで行きたいと思います。
皆様、これからも応援、よろしくお願い致します。
吉野 紗香