夫の浮気より見たくなかった。
「選ばれない私には価値がない」と思っていたこと。
夫の浮気を知った夜のことは、今でも妙によく覚えています。
時計は23時を少し回っていました。
娘はもう寝ていて、シンクには洗い物が2つ残っていました。
テレビでは、知らない芸人さんたちが笑っていました。
昨日までと何も変わらない、普通の夜でした。
ただひとつ。私が、夫のスマホを見てしまったこと以外は。
最初は、何が書いてあるのか理解できませんでした。
何度か読み返して、ようやく意味が頭に入ってきました。
手が震えました。
息が浅くなり、頭の中が真っ白になりました。
たぶん私は、悲しかったんだと思います。
夫に裏切られた。
嘘をつかれていた。
私たちが夫婦でいるあいだに、夫は別の女を見ていた。
もちろん、それは苦しかったです。
でも。
今だから書けることがあります。
あのとき私を一番激しく揺らしたのは、
悲しみだけではありませんでした。
最初に浮かんだ言葉は
「この女に、負けたんだ」
でした。
自分でも驚くくらい、はっきりそう思いました。
夫を取られた。
よりも先に、『負けた。』その言葉が出てきた。。。
相手は何歳なんだろう。
私より若いのかな。
綺麗なのかな。
どんな服を着るんだろう。
髪は長いのかな。
夫は、この人のどこを好きになったんだろう。
私にはなくて、あの人にはあるものって何なんだろう。
知りたくて仕方がありませんでした。
そして、そんなことを考えている自分がたまらなく嫌でした。![]()
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だって私は、夫に裏切られた妻です。
傷ついて、
泣いて、
「どうしてこんなことになったんだろう」と悲しんでいるはずでした。
なのに実際の私の中にいたのは、
そんな綺麗な感情だけではありませんでした。
あの女より綺麗になりたい。
夫を取り戻したい。
最終的には私を選ばせたい。
いつか夫に、「あのときサヤカを裏切らなければよかった」と後悔させたい。
相手の女にも、
私のほうが上だと思わせたい。
そんなことまで考えていました。![]()
そして、ときどき、
もっと酷いことも考えました。
この人も同じくらい傷つけばいい。
全部失えばいい。
夫にも苦しんでほしい。
私がどれだけ痛かったか、同じ痛みを味わえばいい。
そこまで考えて、
私は自分で自分が怖くなりました。![]()
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こんな女だったっけ。
私は・・・。
もっと穏やかな人間だったはずなのに。
人の不幸を願ったり、
誰かと自分を比べたり、
勝った負けたで人を見るような女じゃなかったはずなのに。
浮気されたことで、
私は嫌な女になってしまった。![]()
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そう思いました。
だから私は、そこから夫のことだけではなく、自分の中から出てくるものを
抑え込んで今まで以上に隠すようになりました。
夫の携帯を見て始末た翌朝。
私はいつもの時間に起きました。
(一睡もできなかったのに💦)
娘のお弁当を作って、
卵焼きを焼いて、
ミニトマトを入れて、
水筒を用意しました。
夫が起きて、「コーヒーいる?」と聞きました。
夫は、「うん」と言いました。
いつもどうりの流れ、ルーティンのあたりまえに
私はコーヒーを淹れました。
今振り返ると、あの朝の自分が恐ろしい。![]()
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ホラーです![]()
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めっちゃクチャ
あれだけ泣いて、
あれだけ憎んで、
頭の中では何度も夫を責めていたのに。
朝になったら私は、
何事もなかったように、
また「いい妻」の顔をしていました。
でも、その頃からです。
私の中で、二人の私がいるようになりました。
夫の前にいる私は、冷静。
責めすぎちゃいけない。
感情的になったら修復できない。
娘の前では普通にしていよう。
家庭を壊しちゃいけない。
なんで私が苦しんだり
生活を変えたり
悩んだりしなきゃいけないんだ!
この妻としての場所は譲らない
プライドにかけて。。。
ずっとそう思っていました。
でも、一人になると別の私が出てきました。
なんで私なの。
なんであの女なの。
私の何が足りなかったの。
あんなに頑張ったのに。
妻としても。
母親としても。
家のことも。
夫のことも。
ずっとちゃんとしてきたのに。
なんで、私じゃなかったの。
この言葉だけは、なかなか認められませんでした。
「夫を愛しているから苦しい」
そう思っていたかったんです。
もちろん、愛情もあったと思います。
でも、それだけじゃなかった。
夫を失うことと同じくらい、
いや、
もしかしたらそれ以上に、
私を苦しめていたものがありました。
「選ばれなかった」
ということでした。
私はずっと、ちゃんとしてきました。
いい子でいれば、
母が喜んでくれました。
勉強を頑張れば、
先生が褒めてくれました。
人に迷惑をかけなければ、
「サヤカはしっかりしてるね」
と言ってもらえました。
結婚してからも同じでした。
夫を立てる。
家を整える。
子どものことをきちんとする。
感情的にならない。
疲れている夫に余計なことを言わない。
そうやって、
ちゃんとしていれば、私はちゃんと愛される。
そんな約束を、誰かとしたわけでもないのに。
私はずっと、心のどこかで信じていたんだと思います。
だから夫の浮気は、私にとって、
ただの裏切りではありませんでした。
私が40年以上かけて信じてきたものを、
根元からひっくり返しました。
ちゃんとしていたのに。選ばれなかった。
我慢したのに。
選ばれなかった。
いい妻だったのに。
選ばれなかった。
じゃあ、
私は今まで、
何のためにこんなに「いい人」をやってきたんだろう。![]()
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そこまで考えると、
胸の中が空っぽになるような感覚がしました。
だから私は、夫を取り戻そうとしたんだと思います。
当時は、「夫婦を修復したい」と思ってましたし、言っていました。
でも今振り返ると、その言葉の下には、もっと人には言えないものがありました。
もう一度、私を選ばせたい。
あの女ではなく、私だったと証明したい。
そしてできるなら、私を捨てようとしたことを、夫に後悔させたい。
こんなことを書くと、嫌な女に見えるかもしれません。
もうほとんど、オカルトに近いくらい💦
自分が怖かったし、
醜いとも思いましたし
「こんなだから。。。浮気されたのかな。。。」ともおもいました。
以前の私なら、絶対に書けませんでした。
自分で自分に、「最低」とも思っていましたが、当時は認めたくなかった。
でも、あの頃の私は本当にそう思っていました。
だから私は、その感情をなくそうとしました。
夫婦修復カウンセリング。
男性心理コーチング。
愛される妻コミュニティ。
自己肯定感。
潜在意識。
引き寄せ。
なんでも学んで、実践しました。
執着を手放す。
自分を愛する。
波動を上げる。
スマホの検索履歴は、そんな言葉でいっぱいになっていきました。
「相手ではなく自分に意識を向けましょう」
「執着を手放しましょう」
「感謝に目を向けましょう」
そういう言葉を読むたび、私は頑張りました。
夫を責めないようにしました。
笑顔を増やしました。
美容院にも行きました。
服も少し変えました。
感謝ノートも始めました。
夜、ノートに、「今日も家族が健康でした。ありがとう」と書いたことがあります。
でもある日のこと。。。。
そしてペンを置いて、しばらくその文字を眺めていました。
そのときでした。
頭の奥から、まったく別の言葉が出てきました。
「ふざけんな!」
自分でもびっくりしました。💦
誰に対してなのかも、よく分かりませんでした。
夫なのか。
あの女なのか。
こんなことになった人生なのか。
それとも、「感謝しなきゃ」と、こんなときまで自分を押さえつけている私自身なのか。
分かりませんでした。
ただ、ものすごく腹が立っていました。
私は慌てて、また蓋をしました。
こんなことを思っちゃダメ。
怒りを手放さなきゃ。
執着を手放さなきゃ。
もっと自分を整えなきゃ。
もっといい私にならなきゃ。
そうやって、浮かび上がってきたものを、また水面の下へ押し戻そうとしました。
とうとう、眠れなくなり
心療内科に通院します、しかも、家族にも内緒で。。。。。。
そんな頃です。ネットの片隅で、
「NOI地下観測室」という妙な名前を見つけました。
最初に読んだとき、救われた感じはしませんでした。
むしろ、少し嫌でした。なんだろう、”NOI”って
怖い💦
そこ、見なくていいんじゃない?💦
そんなところまで、わざわざ触れなくてもいいじゃない💦
そう思って、一度ページを閉じました。
なのに翌日の夜・・・。
私はまた、そのページを開いていました。
私はそこから毎日、少しずつ、NOIの地下観測室へ降りていくことになります。
