神の雫の31巻で2008年のヴィンテージが取り上げられたワインです。今日のレビューは2018年ヴィンテージです。ワインは同じ生産者が同じブドウ品種を使って造ってもその年によって全くできが異なります。巷では「神の雫で紹介されたワイン」で有名ですが、裏のラベルに2008と書いてあったら本当に同じ、そうじゃなかったら別物と考えた方がいいです。
ワイン名:エヴォディア(赤)
ブドウ品種:ガルナッチャ(グルナッシュ)
価格:1,098円
ヴィンテージ(ブドウが収穫された年):2018年
【香り】
有名なワインレビューサイトなのか、ワイナリーのレビューサイトなのかはわかりませんが、権威のあるサイトで「このワインはカシスとチェリーの香り」と書かれたら、世界中のレビューサイトでその香りだけが記載されます。カシスでピンとこない方は、ブルーベリーの香りを思い浮かべてください。梅干しになる前の梅の香りや、ボトル開けたばかりだと、ガルナッチャによくある「ボールペンのインク」みたいな香りもします。インクの香りは悪い香りと捉える人もいますが、この香りがするワインは味が濃いものが多いです。しかも少し空気に触れるとインクの香りは消えてしまいます。
あとシナモンのようなスパイスっぽい香りも少しだけします。シナモンでピンとこない方、ニッキの香りです。八つ橋の香り。厳密に言うとシナモンとニッキは別物ですが、ここでは同じとしてしまいます。
【味わい】
有名なワインなので、色々なネットのレビューを見ると、パワフルでジューシーでミネラルの風が吹いているそうです。もう風まで吹いてきましたよ。
パワフルは、果実味がしっかりしていることを意味します。同じお金出すなら果実味が強い方が得だという考えもあるのですが、ワインの世界ではブドウ品種によっては控え目の方が評価が高いものもあるのです。このワインはそうではなく、ガツンとブドウの味がするのです。分かりやすい味が好きな人向けのワインです。
ジューシーも似たような意味ですが、パワフルだけどタンニンと呼ばれる渋みが少ないワインによく使われる表現です。確かにその通り、タンニンが少ないです。
ミネラルは香りであれ、味であれ例えるのが難しいのですが、パワフルでジューシーだけど、のどごし爽やかみたいな感じです。超おいしいミネラルウォーター飲んだ時の味わい。濃厚だけどサラっと飲める感じです。
赤ワイン飲んでる感が強いけど、口の中がシブシブにならないワインです。甘味もしっかりしていて、後からバランスのよい酸味が口に広がり、甘ったるい感は残りません。
【マリアージュ】
こういうワインはお肉系勧められがちですが、ソースたっぷりかけたたこ焼き、お好み焼きに合います!すき焼きにもあいます(あ、これはお肉系だ)。ジャンクだと、歌舞伎揚げ。エンドレスモードになるので、ダイエット中の人はこのマリアージュは避けてください。
【総評】
ボージョレ・ヌーヴォーを数日間飲み続けた後なので、特に味も香りもしっかり感じました。もしこのワイン飲んでご自分のレビューを書く時は、先陣レビューに惑わされず、自分の言葉で表現してほしいです。
ワインの世界はヨーロッパの人の意見に従わないと「あの人ワインのこと全然知らないのに知ったかぶりしてる」と言われてしまいますが、嗅覚や味覚は生まれ育った環境やDNAレベルで得意分野と不得意分野があるので、ワインをどんな香りで表現しても、全部正解なのです。
ガルナッチャというブドウ品種は熟成にはあまり向いていないので、比較的安価なワインが多いのですが、可能性は無限大のブドウ品種で、安いからと言って無視していると人生損すると思います。
そんな時はどうか ミネラルの意味を知ってください~
by日蔭