理佐side
理佐「もしもし」
小林『もしもし理佐？』
理佐「うん、理佐だよ」
小林『ふふ、理佐、お誕生日おめでとう』
理佐「ありがとう」
小林『今年も1番でしょ？』
理佐「うん、由依が一番最初だよ」
いつからか由依は私の誕生日の一番最初にこだわって
お祝いしてくれるようになった。
メッセージが3番目で落ち込んでたのも、
誕生日が終わるギリギリに電話してきたのも、
日付変わった瞬間に電話してきたのも、
全部かわいかった。
小林『ねぇ理佐？』
理佐「んー？」
小林『明日さ、待ち合わせしない？』
理佐「待ち合わせ？」
小林『うん』
ただレッスンに行くだけなのに？
予想外の提案に思わず聞き返しちゃった。
由依が待ち合わせに指定した駅は
事務所の最寄りの一駅手前。
なんでわざわざ？とはやっぱり思うけど、
待ち合わせたいなら待ち合わせるか。
理佐「いいよ、何時？」
小林『やった、えっとね…』
私がOKしたことが嬉しかったのか、
スマホの向こうで小さいガッツポーズが見えた気がする。
まぁ確かに、待ち合わせなんて
なかなかしないもんなぁ…
現地集合は時々あるけど、なんかちょっと違うもんね。
約束を取り付けた由依の声がずっと嬉しそうで、
なんかよかったなって思う。
長電話せずに「おやすみ、また明日」と言い合って。
みんなに一通り返信してから寝よっと。
LINEのお祝いは友香が最初か、
てかラジオ中じゃん、嬉しいけど。
ふふ、返信は最後でいいや(笑)
小林「おはよう理佐」
理佐「おはよう、早いね」
小林「1本前に乗ってたみたい、次の乗って行こ」
理佐「うん」
小林「あ、理佐」
理佐「ん？」
小林「お誕生日おめでとう」
理佐「ありがとう、夜も祝ってくれたのに」
小林「今年は直接も1番でしょ？」
理佐「え？あ、うん」
電話って直接に入らないか、そっか。
声だけだから会ってないもんね。
電車に乗ってから事務所までは、
お互いのお気に入りの店とかを情報交換した。
どちらかというと由依が知りたがってる食べ物屋を
私が知ってたら教える感じだったけど。
由依は相変わらずインドアらしい。
でも私が教えた店には時間を見つけて
今度行くって言ってくれた。
いつもよりテンション高めな由依と話していると
あっという間に事務所に着いた。
待ち合わせもあって早めに来たけど、
中には保乃ちゃんがいて、
私たちを見つけると駆け寄ってきてくれた。
田村「ゆいぽんさん、もう言いました？」
小林「うん！」
田村「よかった、じゃあ私も言います」
小林「どうぞー」
やっぱり今日の由依はご機嫌だ。
スキップしそうな勢いで
いつもの定位置に向かっていった。
田村「理佐さん！」
理佐「おはよう、保乃ちゃん」
田村「おはようございます！
お誕生日おめでとうございます！」
理佐「ありがと、嬉しい」
中入りましょ、と保乃ちゃんに腕を引っ張られ、
ご機嫌な由依の近くに連れてってくれた。
保乃ちゃんも相変わらずにっこにこで、
由依と仲良くなったんだなぁって私も嬉しくなる。
田村「今年のお誕生日は
全部ゆいぽんさんが最初でしたね？」
理佐「全部？」
田村「誕生日、最初にお祝いしてくれたのは？
直接お祝いしてくれたのは？」
理佐「…あぁ、確かに」
声を聞いたのも、直接お祝いしてくれたのも、
今年は全部由依が最初だった。
だからか、全部一番だから今日は機嫌がよかったのか。
かわいいところあるじゃん。
小林「…去年、直接は保乃に先越されて悔しかったから」
田村「かわいいですねぇ」
理佐「ありがと由依、嬉しかった」
小林「…来年も楽しみにしてて」
日付が変わってすぐ、直接、
お祝いの手段でほかに一番になれることある？
しかもなんか恥ずかしそうなんだけど。
横にいる保乃ちゃんはにやにやしてるし、
なにか知ってるの？
まぁいっか、言われる通り、楽しみにしておこう。
由依のお陰で誕生日の楽しみが増えたよ、
今年もありがとう。
Fin
理佐ちゃん23歳のお誕生日おめでとうございました🎉
今年も素敵な1年になりますように…！