先週の日曜日、遅めの朝を迎えた。


目を開け寝返りを打つと、ものすごい勢いで目の前が回転し始めた。


いつのまにか巨大なボールに入れられ、目覚めた次の瞬間、坂道から転がされるような感覚で、寝起きドッキリも顔負けの刺激的なドッキリである。




おお、これはおそらく良性発作性頭位めまい症。元看護師なので症状と病名は知っていた。耳鳴りもないし、頭痛もない、体を動かすととたんに目眩が始まり、しばらくすると治る。これの繰り返しであるから起き上がることができない。


 

良性発作性頭位めまい症

頭を動かしたときや一定の頭位をとったときに、視界が回る、もしくは揺れるといった強いめまいが生じ、それに伴う吐き気・嘔吐が特徴の耳の病気。 

原因
三半規管とつながっている前庭には、結晶状の耳石(じせき)が付着しているが、これが脱落し半規管内へ迷入することで良性発作性頭位めまい症が起こると考えられている。


確か体を動かして耳石を元の位置に戻すという方法をどこかで聞いた気がする。検索すると直ぐに出てきた。エプリー法というらしい。



 YouTubeを見ながらその体操をしてみる。ゆるやかな動きであるが、めまいが激しい中、動くのが辛い。ジェットコースター3連続乗った後のような、もう吐きそう。トイレに行かねば、その決断は4回目のジェットコースターへの挑戦でもあった。そしてジェットコースターにノンストップのまま乗車して、トイレに駆け込む。




最悪な日曜日の朝である。


エプリー法いう体操を3回もやれば回復することが多い、と大変頼もしいお言葉を信じて、2回目をやるが、変わらない。そして3回目。なんだか目が回らない気がする。しかしジェットコースター連続5回は乗ったのではないか、というダメージが後を引き、しばらくベットの中でのびていた。


どうやらこの体操は本当に効果があるようだ。すごい。医者いらず。あんなに激しいめまいも簡単な体操で治るとは。私には合っていた。


2時間後には、朝食を食べ逃したことを後悔するくらいにまで復活し、激しく動いても三半規管はすっかり正常に戻っていた。


フィギュアスケート選手が、もし良性発作性頭位めまい症になったらどうなるのか?あんなにぐるぐる回っても、ぴたりと立っていられるなら、きっとめまいなんかも大丈夫なのではないかと思った。



そして最悪な日曜日の朝から一転、夜は焼肉屋でご機嫌に夕食を頂いた。毎日何が起こるかわからない。健康第一である。