備忘録:事前状況や準備編

 

トレランを始めた頃(2016年〜)には、別世界のレースだったUTMB(Ultra-Trail du Mont Blanc) に、いつか出てみたいと思うようになったのはいつからだろう。かれこれ約10年弱(!)経った2024年の8月末、フランスフランスシャモニーの街にやってきた。

 

[UTMBポイント]

花形は、もちろん100マイル(160km)のUTMBだけど、100kmをまだ走り切れたことがないので、CCC100kmの部に応募。

世界中で開催されているUTMB系列のレースでポイントを貯めて、「ファイナル」と呼ばれるモンブランでのレースの抽選に応募して、抽選に当たると8月のUTMBレースに参加できる仕組み。

100kmは、イタリアイタリアを出発して、スイスを通って、フランスフランスでゴール。モンブランの周囲を巡る壮大なレース。

昨夏、オーストリアで走った50kmレースで獲得した、抽選可能なミニマムポイントの2ポイント宝石ブルー宝石ブルーを賭けたところ、めでたく当選!ビギナーズラック⁈

 

[トレーニング]

ちょうど、正式なデンマークの滞在ビザの許可も出て、UTMBにも当たって「真面目に練習して、万全の体勢で臨もう」と、心に誓ったのが2023年冬。普段は外に出ないような寒くて凍った雪道に真面目に走りに行って、脚を痛めてドクターストップガーン

2月&3月は月間走行距離ゼロから、フルマラソンにゆるゆる参加したり、メンタル的に落ち込む出来事があったり、脚の痛みが戻ってきて思うように走れなかったり、山のないデンマークでの無理ゲーをビーチ沿いの階段や坂をたまに駆け上がって坂練しているつもりになったり、心身ともにアップダウンがありつつ、7−8月は月間走行距離100kmまでなんとか持って行き、いざシャモニーフランスへ。

 

[宿]

街を挙げての年に一度のお祭り、かつ、夏休みのハイシーズンなので、シャモニーの宿の料金は通常の数倍。便利で比較的安い宿は、1年前から予約で埋まっているらしく、念の為、1人で押さえてみた宿は、これでも安い方なの?!という衝撃価格札束

バンコク時代のラン友に連絡して、タイ(&帰国して日本から)参加するグループに入れてもらった。スタート/ゴールからもほど近いAirBnbに一緒に宿泊させてもらい、UTMB経験者やトレラン入賞常連のスーパーランナーもいて、情報やアドバイスをもらえたのも、心強かった。

 

[移動]

EU内の移動だったので、国際線とはいえパスポートチェックもなく、デンマークとフランスは時差もなく、遥々アジア(や全世界)から来るランナー達に対して、ヨーロッパ在住はそれだけで有利なレースだなぁと思ったり。なんなら、地方都市のウチから首都の空港までの電車新幹線の方が、コペンハーゲン→ジュネーブ飛行機より長かった爆  笑

ジュネーブからシャモニーへは、いくつかのバス会社が運行していて、事前にチケット購入がおすすめ。大会連携のバス会社より、自分で調べたバスの方が安かった… 。今回のAirBnbは中心部だったので、バスターミナルから徒歩15分くらいだったけれど、場所によっては、少し割高でも各ホテル前まで乗り付けてくれる乗り合いタクシー的なバスも便利かも。

パリからTGV新幹線とか、イタリア側に宿泊とか、選択肢は色々。

 

[お天気]

気になるお天気は、ずっと晴天続きでヨーロッパ全体に熱波も来ていて晴れ、レース2日前に主催者から「暑い日用グッズ」の携行必須の連絡がきた。通常の必携グッズに加えて、帽子、サングラス、日焼け止め、2Lキャパの水筒の携行等。

それでも夜の山は寒いかもしれないので、ニット帽や予備の上着も必携。

環境配慮の観点から、ここ数年は、使い捨ての紙コップやプラスチック皿、フォーク、スプーン等を、各ランナーが持参して、水やコーラもペットボトルではなく、大きなポリタンクで供給される。真っ当な対応だとは思いつつ、荷物は増えるので悩ましい。

 

[シャモニーの街]

街中を歩いていると、拍手やカウベルや笛の応援が聞こえてきて、既に出発しているカテゴリーのランナー達が帰ってくる光景に、当たり前に出くわす。

沿道の人たちも、みんなこの一大イベントの「参加者」で、街が一体になってランナーの健闘を讃えて、声援を送る。UTMBと言うレースの位置付けや知名度だけじゃなく、この雰囲気がたまらなくて、また帰ってくるランナーがいると言うのも納得。

自分も、無事に100km走り切って、こうして迎えられたいなぁと思いつつ、拍手を送る。

 

基本的にアルプス山脈〜モンブランのハイキング/トレッキングの拠点になる街なので、有名ブランドから格安Decathlonまで、アウトドア用品のお店が立ち並ぶ。必携装備を忘れたり、空港でロストバゲージがあっても、来てしまえばなんとかなる街。

携行皿を持ってなかったので、散歩がてらお買い物。目ぼしいものは店頭に特設ブースが設けられていたり、安めのサングラス等々はすっかり売り切れていたり。UTMB特需が見えました。

 

カフェコーヒー、レストランナイフとフォーク、ベーカリーパン、スーパーマーケット… 観光客のニーズに応える、こじんまりした可愛い街だった。