オリジナル絵本やお手紙をかくことが大好きなことげ。
小学校に入学し、
新しく友達になった子や担任の先生に向けて
「これからも仲良くしてね」とか
「先生、これからもよろしくお願いします。」と書き綴り
いつものように一生懸命書いた手紙を持って登校していきました。
その日は特に何も言っていなかったのですが
後日あった家庭訪問にて
「ことげくん、何か言ってなかったですか？」
と担任の先生に言われ首を傾げると
「実は…先日学校にお手紙を持ってきてくれたんですが
学校ではいじめ防止の観点などから手紙などを持ってくるのは禁止でして。
ことげ君がお友達の悪口を書いたりなんてしないことはわかってはいるのですが
『自分の悪口を書いてるんじゃないか』と気にして
嫌な気持ちになるお友達もいるので…と、
今後はお手紙は持ってこないよう注意したんです」
とのこと。
今後お手紙を書いている様子が見られたら、
お母さんの方から注意しておいてください。と言われ、家庭訪問は終了しました。
折角書いたお手紙を注意され
ことげはどんな気持ちだったのだろう。
ちゃんと理解したのだろうか。
そう思い、その日帰宅したことげに手紙の件を聞いてみると
「なんか、だめなんだって。」とだけひと言呟きました。
「小学校へは、勉強に関係のないものは
例えお手紙でも折り紙でも、持っていっちゃいけないんだよ」
と話すと
とりあえずダメなことは理解しているようで
その日以来お手紙を書いて持っていくことはしなくなりました。
その数日後、急に
「ひらがなを書くのが嫌い」だと言い出したことげ。
あんなに字を書くのが大好きだったのに。
驚いて理由を聞くと
「僕がお手紙を書くと、
誰かが嫌な気持ちになる」
と答えました。
「違うよ。ことげ。
ことげが悪いことをしているから
お友達が嫌な気持ちになるから
持っていっちゃいけないんじゃない。
ことげは悪いことはしてないよ。
お手紙に悪いことを書いて
誰かを傷つけた子が昔いたんだよ。
そしてそういうことがたくさんあったから
学校は「じゃあお手紙を禁止にしよう」という決まりを作っただけ。
ことげがお手紙を書いて
嫌な気持ちになったお友達はきっといないよ。
だから大丈夫。
お母ちゃんはことげの書くお手紙や絵本が大好きだから
これからもいっぱい描いてね。そしていっぱい見せてね。」
そんな風に話してみましたが
その後、大好きだったお手紙を書こうとはしなくなってしまったことげ。
ですが、一応学校の宿題だったり、勉強のためにも
ひらがなの練習は再開したようです。
学校の決まりはしょうがない。
実際、お手紙がきっかけで悲しいことが沢山起こったのかもしれない。
だから今後、学校へお手紙を持っていっちゃいけないけれど。
だけどそれは、お手紙で悪いことをした子が悪いだけ。
お手紙を書きたいと思ったことげが悪いんじゃない。
ことげのお手紙や絵本は、みんなを幸せにしてくれるよ。
そんな話を
これからも伝えていけたらな。と思います。
そしてがんばったひらがなの練習も、
いっぱいいっぱい褒めてあげられたらな。と思います。
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