追想温い風 今日の塀の中に、 軒先にわたる 紫陽花の萌芽 漂う沈丁花 明日の満天星、躑躅 あの庭の芝草の手触り 霞んだ空の下 その後の季節 満ちる桂花 完結し切った 小さな世界 一人だけの宇宙 そこにひざまづいて ひかりを啄んだあの日