記憶の中の風景は
何故だろう
いつも 夏

たちのぼる陽炎
遠く聞こえる
建設工事の
規則正しい響き

「あーそーぼー」
問いかける声
そして静寂

聞こえるのは
ただ
工事のこだま
蝉の声

この世にただ独り
取り残されたかのような
無限の孤独

誰もが
消え去ったかのような
無上の幻想

目眩がするほどの
陽光
全てがカラカラに
乾いていた 夏