綺麗に花々に飾り立てられ
眠るように横たわる貴女


何処へ帰ろうとしていたのだろう
貴女の心から失われてしまった『我が家』は
異世界の彼方に建ち
見知らぬ人々の中で
孤独に震える貴女を呼ぶ

癒えることのない飢餓
絶え間なく訴える苦痛

そして貴女は
夜毎枕辺に男が立つと言う
自分を襲いにやって来ると泣く
男が噛んだ痕があると
爛れた肌を擦る


拭うべき涙も頬を濡らすことなく
ただひたすら
安堵の吐息を洩らす

もういいのだ…

貴女はあれほど望んだ
『我が家』へと還り着いた
愛しい伴侶の棲む
安らぎの地へ