炭の作り方 | ぴんころ健忘録

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庭先で簡単に焼ける
「伏せ焼き法」


炭の焼き方にはいろいろな方法があります。
いわゆる昔から「炭焼き」として良く知られているのは築窯法です。

山の中を歩いていると、あちらこちらに炭窯の跡を見つけることができます。
昔の人たちは、炭の原料になる木のあるところで一通り焼くと、次の場所に移動し、そこに窯を築いて、また焼きました。


炭ですが、アウトドアがブームになりバーベキュー用の燃料として、更に水質浄化材、土壌改良材等としても注目をあびるようになりました。


そんな炭を手軽に身近な所で焼く体験を森林ボランティア活動のプログラムに組み一昨年からやっている炭焼きを紹介しましょう。


特に、昨年行ったのは除伐をした竹を無駄にしないように、竹炭に挑戦しました。

昨年の12月13日から14日にかけて裏の畑地で行った竹の伏せ焼きの状況です。


穴掘り(窯造り)
長さ2m 幅60cm 深さ50cmの穴を掘ります。 寸法は多少融通性がありますが、あまり小さいと窯内の温度が上がりません のである程度の大きさは必要のようです。
風上を焚き口にし、反対側に煙突口を作ります。
今回、前回と違うところは焚き口に燃焼室を設けたことです。


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炭材の詰め込み
炭焼きの窯には炭材を立てて入れるのですが、これは横にして伏せた状態なので伏せ焼きと言います。
写真には出ていませんが、そこに焚き口から煙突口にかけて太さ10cm弱の枕木を2本平行に置いておく。
長さは、窯の幅より10cm短くする。すなわち両側横に5cmの隙間ができるようにするわけです。
詰め込みにはできるだけ隙間ができないようにすることが重要です。


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隙間を詰める
炭材の上、横の隙間に枯れ草などを充填します。
これは、窯の中に偏った空気の通り道ができないようにすることと、窯内の温度が保温されると共に、全体に分散されるようにするためです。
この後、土を約10cmの厚さでかけて、隙間ができないように締め固める。
これで窯の出来上がり。

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口火焚き
窯の中の温度が300度ぐらいになり、発熱分解反応が起こり出すまで、ひたすら団扇で扇ぎながら火を焚いています。約3時間かかります。
初めに出る煙は温度が低く、水蒸気を多く含み重たく上に立ち上る煙ではありません。
この時に、窯のあちこちから白い煙が漏れ出てきますから、窯の補修をして完全密封するようにします。
これを怠ると、全て灰になってしまいます。


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煙の変化に注意
完全に発熱反応が始まると、扇がなくても煙が立ち上ります。そして、時間と共に煙の様子は変わっていきます。
これを見極めるのに経験が必要です。
状況の見ながら焚き口の穴の大きさを調整します。だいたい火がついたら(煙が勝手に立ち上り始めたら)焚き口をすぼめて ブロックの穴一つ分ぐらいにします。

炭化完了の兆し
煙の色が薄青くなり、煙突口で煙が切れています。
これは、窯の中が完全に炭化している状態です。煙が出るのは、未炭化材があるからです。
しかし、タイミングがずれると、灰にしてしまいますから、一晩中この煙の状態を見ておかないといけません。
慣れてくるとだいたいの時間経過で状況の見当が付くようになりますが、窯のチェックはしないといけません。漏れがあると灰になります。

煙がこのようになったら、完全密封をして(窒息状態にして)消火します。


窯出し
消火をして、数時間後温度が下がった頃に炭を掘り出します。



一おさらいをすると一
・口火焚き3時間(できるだけ大きな火を作り、窯内の温度を上げるのがコツです)

・炭化進行15時間(状況によって多少の違いはあります。この間、窯の状況を常にチェック必要に応じて補修する。)

・煙突の煙が切れたら密封する。(消火)
窯内の温度が下がったら炭出しです。約6時間

・全体に要する時間は24時間です。状況により多少増減する。





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