- こういうのって。【流行るもの】なのかなぁ。 流行って、そしてみんなが口をそろえて「感動しました!」て。そういう扱いで良いのかなぁ。 なんかきもちわるいなぁ。
『恋○』とか、『ラス○フレン○』。
流行っちゃって、感動しちゃって、ステキだわ、て。キャーキャー言えるよーな人に、私はなれないなぁ、と。
大学2回生んとき、同じ専攻の女の子が、突然何日も休んだ。
どうしたんだろー?と思っていたら、学食前でバッタリ会った。
いつもはニコニコしてる彼女が、青い顔で「話、してかまへん?」て声かけてきた。
うん、と返事して、2人で缶ジュース買って、芝生の所に行った。
「あんな、エネ。あんた、今、彼氏おるやろ?」 眼を合わさず、彼女が小さい声で言った。
「うん。おる。何で?」
「絶対な。絶対、中絶だけはしたらあかんよ。ほんまに、あかんよ。」
18歳にまだなってなかった私は吃驚した。チュウゼツ?
頭の中で、意味がちゃんと理解できないまま、彼女の横顔を見てた。
「子供、できててん。凄い好きな人やってんけど・・・」と、じんわり涙声で彼女に言われた。
彼女は家の事情もあり、其の日、退学届けを出しに来ていた。
その悲痛な表情が、数年後、「結婚式に来てくれへん?」という葉書が来た時に、やっぱりよみがえった。
どんなに好きでも、愛していても。恋じゃなく愛なのだとしても。
美しい思い出にはどうしても出来ないものがある。
私が通ってきた年月の中にも。やっぱり、ある。