今まで5つの文献を読んでみました。


その結果、


1) フルートの材料を判らないようにして吹いたとき(ブラインドテスト)、プロや上級アマを含め、でたらめに判定して当たる確率以上の数値は出なかった。=材料の違いを言い当てられる人はいなかった。


2) フルートの音色は、材質によって変化する割合よりも遥かに大きな割合で、演奏方法の違いで変化する。(パワースペクトラム上に違いがはっきり出る)


3) フルートの音色は、材質によって変化する割合よりも遥かに大きな割合で、楽器の微小な寸法の違いで変化する。


4) フルートの材料は音色に影響している。と主張する研究には、「私には判る」という以上に客観的事実が示されていない。


ということだそうです。



まだたった5つしか読んでいませんし、今現在一生懸命「材質の違いは音色に影響する」ということを科学的に納得させてくれる文献を探していますので中間的な感想ですが‥‥


*******中間まとめ*******

修行した僧侶は座禅の最中に、線香の灰が床に落ちる音を聞き取るそうです。


‥けっこう大きな音に聞こえるそうです。


それも、木の床に落ちたときと金属製の盆に落ちたときで音色が異なるそうです。


誰でもそうだとは到底言えませんが、人間の感覚は普通想像するよりも遥かに優秀なことがありますので、計測数値やパワースペクトラムの結果で人間が感知できないと言い切るわけにはいきません。

ただし、フルートの場合には、材料によって音色が変化する割合よりも、楽器の寸法差や演奏者の技量で音色が変化する割合がずっと大きいことを考えると、


私達が「銀のフルートは‥」とか「プラチナは‥」と聞き分けているように感じていることは、実は奏者の違いだったり、楽器の微小な寸法差だったりするのではないか。


という疑いが出てきます。

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人間の脂肪は一日せいぜい50gくらいしか変化しないのに、朝体重計に乗って「確かに1kg痩せた。」
なんてね。


水分の変動は一日で2kg以上あるのです。


たとえ脂肪が50g減っても、水分で2kg変動していたのでは、体重計に乗って痩せたか太ったかを判定することは不可能。

(何日もダイエットして脂肪が500gくらい減ってくると、ようやく体重計で測定できるようになるわけです。)

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それならばと寸法を管理した丸棒を吹き、材料を隠して音色を聞き分けさせると、誰も正解しなかった。


今はここまでしか言えません。


私は実は、「材質によって音色が違っていてくれれば素敵だな」

と心から思っていますので、引き続き内外の文献を調査します。


ゆるい目で見守っていてくだされば嬉しいです。

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