sawjiのブログ -2ページ目

sawjiのブログ

頭の中を文字化するための日記

行動範囲が変わるというのはよくあることで、かつてはよく行っていたお店に行かなくなることがある。

以前はよく上野のTSUTAYAで本を買っていたのだが、いつしか上野に行っても通りを渡って向こう側まで行かず、アメ横側だけで全てをすませるようになった。本を買うのも駅ナカの書店でSuicaで購入するため、かつてはあれほどTポイントを貯めていたはずなのに、今やTポイントカードを解約してしまったくらいである。

 

数年前にフラッと行ったときには、なんだか店内にカフェができており、売っている本を読んでも良いというジュンク堂スタイルの店に変わっていた。確かに一時期はこのスタイルがもてはやされたが、いまどきこれでは余計に売れなくなるぞと思ったのだが、どうやらそのままつぶれたらしい。あれは本当に改装費用が無駄になったとしか言いようがない。

 

TSUTAYAとTポイントはもう完全に斜陽産業である。

今レコード店というと、チェーン店などをのぞけば、カセットテープの品揃えを増やし、ジャンルも演歌を中心にして高齢者向けの商売をしているところが多い。ただそのうちレンタルビデオ店もそれに近い状況になるだろう。すなわち、若者はネットに移行してしまい、レンタルビデオ店はネットに移行できないアナログな中高年を相手に商売することになる。そうなれば、中高年向けの品揃えを増やすことになるはずである。

 

書店は、まだ電子書籍業界が完全には落ち着いていない。すなわち、本好きはどのサイトで電子書籍を買ったら長く読めるかがわからない。

どこもまだつぶれる可能性があり、急に今まで買った書籍データが全て読めなくなる可能性がある。

だから、完全には電子書籍には移行できない。

また慣れ親しんだ紙の方が読みやすいということもある。

そういったこともあって、紙の書籍にも需要がある。

 

ただ、今の書店は売り上げデータを重視しすぎるため、新刊しか置いてないし、それ以外の本だってどこもほぼ同じものしか置いてない。

そのため、自分の欲しい本が店頭にあることが少ない。

そこで、スマホからポチると明日にはくる、Amazonの出番になる。

そうなるとリアルな店舗に勝ち目はない。

リアルな店舗には在庫に制限があるからである。

 

TSUTAYAはレンタルビデオで若年層を顧客として獲得し、その顧客がついでに書籍も購入してくれる。またレンタルビデオのために身分証などを確認した確実な顧客情報と紐付いたTポイントカードに加入してくれることで、Tポイントを顧客誘引力として若年層が来てくれることと、確実な顧客データの分析を期待して、Tポイント加盟店が増えるということで利益を上げてきた。

しかし、レンタルビデオが高齢者向けのサービスになりつつあり、書籍もAmazonなどのネット通販に移行している今、本業では完全に傾き始めている。

そしてそのことがTポイントカード利用者の高齢化につながり、顧客誘引力を失い、顧客データの分析も偏ったものとなることから加盟店の離脱を招いている。

 

完全な悪循環である。

 

こうなると今のままではTSUTAYAに生きる途はない。

それぞれの業種に構造的な転換が生じているのである。もう業態転換でもするしかないだろう。

そういう意味では、あの店は良く生き残ったと思う。

立地も悪かったし、それほど広い店ではなかった。

ちょっと残念な気はするが、なくなっても今の私の生活には影響がないというのが正直な話である。