【クルマ画】77・夢は大きく 〜日本版モノフォルム〜 | Gallery"TEKITOH"

【クルマ画】77・夢は大きく 〜日本版モノフォルム〜

 さてさて、誰も見てないのをいい事に
のんべんダラリと続けているこの一連も、
とうとう77枚目。早いのか遅いのかは
知ったこっちゃないけど。

 で、7のゾロ目になった所で、その数字に
ちなんで何描こう…と思ったが、ロータス7なぞ
描いて「自分エンスーでちゅ~」なんてバカげた
事は絶対したくねぇし、かといってRX-7という
選択肢に関しては「今ちょっとFD描く気分じゃ
ねーのよね」…等々、例によってワガママな考えが
浮かんでは消え浮かんでは消えだったり。

 ま、誰も見てねーから何描いてもいいんだけど
「だったらコイツでも描いとこうか」みたいな気分で
ツラツラと描いてみたのが↓こちら。

Gallery"TEKITOH"

1970年 トヨタEX7。第17回東京モーターショー出品車。

Ⅲ型トヨタ7の5リッターNAユニット(79E)を
ミッドマウントし、プラットフォームシャーシ+
鋼管フレームで構成されたエクスペリメンタルGT。
 この年はショーカーの当たり年だったのか、
そういえば単車の方でもコイツが出品されていた。

 ドアの開閉は後ヒンジの、後に言うランボドアの
前後逆バージョンで、その開閉と(乗降性を高める為の)
シートの上下動は、Egルームから引き込まれた油圧
システムにより駆動される。
 ちなみに、ルーフに開けられたグラスウインドゥも
開閉可能となっていた様だが、そちらは手動式。
…油圧系がイカレた場合の非常口みたいなモノか?
オール鈑金ボディだから、相当重かっただろうな。

 とあるムック本には「ホイールベース2250mm」とあったが
ボディサイズから考えてもそりゃ短すぎないか?
多分タイプミスだと思うんだけど。

 リアルタイム世代じゃない俺がこのクルマを初めて
知ったのは、ご他聞に漏れずトミカの一モデルとして。
他人に家に行ってミニカーまさぐっていたらコイツが
あって「トヨタ?こんなクルマ造ってたん?」と
訊ねると持ち主自身も「お下がりで貰っただけだから
知らん」と。
まぁそんなモノだよね。

 で、このクルマ。以前某クソ雑誌に「純レーサーの
身体の上に未来予想図の衣を着せただけの絵空事」
だのと、わかってねぇ幼稚な貶し文が載っていて
憤慨した事がある。記事自体はマツダRX500復活の
道程に関するモノだが、程度の低い比較で同車を
持ち上げるようなガキじみた行為には腹が立った。
このクルマの意義は「モノフォルム・スタイリングの
確立」、それに尽きるだろう。
当時の車体スタイリングの流れを見れば合点が行く。

 モノフォルムつーのは早い話、ワンボックスの事
だったりする(単に英訳した程度)のだが、それを
ミドシップスポーツカーのジャンルに採り入れよう
…というのが当時の潮流。
要はランボルギーニ・ミウラの次の世代のスタイルを
模索しようという流れがあったのだ。

 その戦陣を切ったのがイタルデザイン/ジウジアーロの
設立記念作であるビッザリーニ・マンタ(1968年トリノショー)。
 で、そのジウジアーロの元所属先だったベルトーネでは
それに対抗すべく(なのかどうかは知らないが)、当時
アルファ・ロメオから有力カロッツェリアやコーチビルダーに
「コレで新しいミッドシップGT造ってみてね」とばかりに
供出されたレース車輛ティーポ33のシャーシをベースに
ガンディーニに造らせたのが↓こちら。

Gallery"TEKITOH"

ベルトーネ/アルファ・ロメオT33カラボ。
1968年パリサロン出品。
その後イタルデザインでは同じくT33のシャーシを使った
イグアナ(1969年トリノショー)やマセラティ・ブーメラン
(1972年ジュネーブ)に、ベルトーネ側ではドアのギミックを
継承したランボルギーニ・カウンタック(1971年)や
顔の意匠を継承したマセラティ・カムシンへと、各々が
発展していく。そういう流れ。

 ちなみにピニンファリーナも'69年に独自のモノフォルムを
形成したモデューロを発表していたりする。

 対するトヨタも'69年の第16回東モにモノフォルムの
スタイリング・スタディであるEX-Ⅲを発表。
但しコレはランニングコンポーネントを持たないモックアップで
ついでに言えばツラ構えはGMのコーヴェア・モンツァGTの
パクリみたいな感じだったりしたワケで、「コレよりも更に
現実的な、しかもキチンとランニングコンポーネントを
携えた車輛を造らねば。その母体となるのがレース車輛なら
なお良し。幸いウチにはトヨタ7というグループ7マシンの
心臓があって丁度いいし」…と考えたかどうかは知らないが
製作したのがEX7…と、そういう事なのだろう。

 といった所で、改めてスタイルを眺めてみると
マンタの影響がやや強め…という印象。あくまで主観だが。
但し突然変異的にこのカッコを成立させたワケでもなく
全体的なフォルムはキチンとEX-Ⅲの発展版と考えられるし
前年までEX-Ⅰにてご執心だった「アローライン」の変遷も
ケツ周りに同ショーでデビューしたセリカのそれと同じ
意匠が採り入れられていたりする。

 何よりも、強いエッジはウエストライン等の部分に留め
その全体を緩やかな曲線でまとめていたりする所は
割と日本人好みなんじゃないだろうか。
 あと、強引に関連づける気はないのだがそのフォルムは
最近のプリウスあたりでも同じだったりもして、何だか
クルマで効率(この場合は空力特性)追求すると結局
こうなるんだな…という感慨も、少しはある。

 トヨタ側の見解だとこのクルマ「既に処分して現存しない」
という事だけど、実はドコかに残っているんじゃないだろうか。
で、出すに出せない事情があって云々…という感じで。

 まぁ近年は『架空の警察車輛』としてプチ復活も
してるんだけど。

Gallery"TEKITOH"

 例によってトミカ。
案外とユニフォーム塗装がよく似合ってたりする
…がこの位置にパトランプつけると、ドア両方とも
開かにゃ乗り降りできないだろうな。

Gallery"TEKITOH"

 ↑余計なアマ取っ払いバージョン。
人物で隠れる所はマジメに描いてないのがバレバレ。

…にしてもこの顔、スズキのファルコラスティコ(1985年)に
似てねーか?