【クルマ画】54・過ぎ行く夏 | Gallery"TEKITOH"

【クルマ画】54・過ぎ行く夏

 そういえば今年は、夏になってから所謂『夏グルマ』を
全く描いてない事に気付いた。
要するにレジャーカー方面のそういうジャンルを
勝手にそう呼んでいるのだが、まぁそういう事なら
夏が完全に行き去る前にチラとでも描いておくか、と。
誰も期待してないカテゴリだが。

 で、今年の夏グルマは↓こんなの。

テキトー画廊-蚊トンボ1

 1969年 ザガート・ザンザーラ(Zagato Zanzara)
まぁ写真2~3枚(うち一枚はモノクロ)で、見た事もない
パースから描くのは苦労がつきまとうねぇ。

 同年の第51回トリノショーにて発表…だと思う。それ以前の
ショーの写真で見かけてないし。
ちなみに初出時は、ホイールのセンターキャップは装着されて
いなかったみたいです。

 そこそこ有名な話だからいちいち書く必要もないとは思うが
ザンザーラという名称はラテン語で「蚊」を意味する。
…いささか手足が痒くなりそうな名前だが、まぁそう異様な感じ
でもないだろう。ヒコーキの世界でもデハビラント・モスキート(英)
なんていう、昔日のレーシングマシンを溺愛する連中は足を向けて
寝られないヤツもいた事だし。

 ベースとなったのはフィアット500。同車のフロアパネルとEg等を
流用している。

 ちょっと驚かされるのがFフェンダー。実はコレ、ベースとなった
チン助(チンクェチェントなんて呼ぶのはエンスーくせぇ嫌な匂いが
するので、こう呼んでいる)のインナーフェンダー流用との事。
…あのチビ、こんなキレイなモノを隠し持ってやがったのか。

 そして面白いのがフロントカウル。
クラムシェル構造で、ミウラよろしく…どころかFウィンドウも一緒に
ガバチョと開く。


 コレが造られた経緯ってのは、大体想像がつくんだよね。
あの頃ってレッキングヤードあがりのVWをベースにしたビーチバギー
流行し、ソレが北米どころか欧州にまで伝播した時期だ。
同ショーではピニンファリーナも、フィアット125のシャーシを
切り詰めて『ティーンエイジャー』なるビーチカーを発表している。
 そしてブームの源泉たるクルマを造ったVW自身もこの年、
戦時中のキューベルワーゲンに似た181"thing"を、
フランスではシトロエンも「メアリ」なんてのを造り、市販していた。

 何か素人やセミプロのやってた遊びに、プロが手を出しちゃった
…というか、こちらはお金があるからキレイに出来ましたー、な
感じではある。イヤ否定する気は全くないが。

 ちなみに翌年には、現地ホンダディーラーの依頼で
同じくチン助のシャーシにホンダN360のEg(まぁ同じ空冷2気筒か)
を積んだ「ホンディーナ・ヤングスター」なる、細かい意匠を
変更した兄弟車も発表している…のは、ミニカーマニアには
どうせ有名なんでしょ。
名前はピニンファリーナのアレを意識しているみたいだけど。





 そして(どーでもイイが)上の画のタダならぬ雰囲気の正体は
…といえば↓コレ。

$テキトー画廊-蚊トンボ2

 金鳥緊張の夏、日本の夏。