2008年4月27日、大阪府立体育会館で行われたIWGPヘビー級選手権試合60分1本勝負。
王者・中邑真輔の前に立ちはだかる最強のチャレンジャー・武藤敬司。
中邑コールと武藤コールが交錯するなかゴングが鳴った。
全日本プロレスの武藤は外敵であるはずだが、武藤コールのほうが大きい。
高度なグラウンドの攻防。武藤がアキレス腱固め!
中邑がヒザ十字固め、アキレス腱固め、ワキ固め、アームロックと攻めまくる。
5分経過。
武藤が場外にエスケープして間を取る。エプロンに立った武藤に中邑がドロップキック!
場外に転落した武藤に中邑がプランチャ・・・はよけられて、武藤が右膝にピンポイントドロップキック!
武藤が中邑をフェンスに叩きつけて、早くもシャイニングウィザード!
フェンス越しに中邑の脚をつかんだ武藤がまさかのドラゴンスクリュー!
これはきつい。中邑が右膝を押さえ、苦悶の表情でダウン。
武藤がリングに上がった。中邑がリングに戻ると、武藤がドラゴンスクリューからのシャイニングウィザード!
コーナーに上った武藤がピンポイントドロップキック!
あっという間に武藤の時間。ドラゴンスクリューからの足4の字固め! 中邑苦しい。
やはり強い武藤。中邑が逆4の字固めにするが、武藤がすぐに戻してしまう。何とかロープをつかんだ中邑。
武藤がピンポイントドロップキック2連発からドラゴンスクリューを狙うが、防いだ中邑が胴絞めスリーパーから腕十字固め!
苦悶の表情の武藤がディフェンスすると中邑が三角絞め!
10分経過。武藤苦しい。回転してロープに脚をかけた。
武藤が張り手! 中邑が張り手! 張り手合戦。武藤がピンポイントドロップキック!
中邑がミドルキック連打、ボディにニー、ニー・・・脚をつかんだ武藤がドラゴンスクリュー!
もう一度ドラゴンスクリューを狙う武藤に中邑が三角絞め! 極まったか。武藤がロープに逃れた。
中邑がロープに飛んでラリアット! カバーに入るがカウントツウ。
中邑がボディスラムで投げ、コーナーポスト最上段からムーンサルトプレス!
もう一回、ムーンサルトプレスはよけられて、武藤がピンポイントドロップキック、ドラゴンスクリューからの足4の字固め!
中邑苦しい。武藤の術中にはまっている。中邑が「折ってみろこのヤロー!」と怒鳴るが、そのセリフは苦しい証拠になってしまう。
15分経過。中邑が何とかロープをつかんだ。
武藤がドラゴンスクリューを狙うが中邑が延髄斬り!
バックを取った中邑がジャーマンスープレックス! ジャーマンスープレックス! ジャーマンスープレックホールド!
カウントツウで武藤が返した。
中邑がフルネルソン。しかし武藤がエルボーで防ぎ、ロープに飛ぶと中邑が担ぎ上げてランドスライド!
カバーの体勢。カウントツウ。
中邑がダブルアームの体勢だが、武藤がリバーススープレックス!
中邑がロープに飛ぶと武藤がカウンターのピンポイントドロップキック!
武藤が狙っている。シャイニングウィザード! ドラゴンスクリューからのシャイニングウィザードを両腕でブロックした中邑が飛びつき式腕十字固め!
苦悶の表情の武藤がクラッチして耐えるが、中邑が技術でクラッチを切った。武藤の肘が伸びる。武藤が叫ぶ。何とかクラッチして防御。
武藤がロープに逃れた。20分を超える熱闘。
中邑がランドスライドを狙うが武藤が顔面ニー!
中邑が高速タックルした瞬間に武藤がカウンターの低空ドロップキック!
首に入ったか。中邑が顔面蒼白でダウン。もがいている。レッドシューズ海野が様子を見る。
エプロンにエスケープした中邑だが、武藤がロープ越しのブレーンバスターではなく、首へのドラゴンスクリュー!
中邑が首を押さえてのたうち回る。危ないか。
武藤がシャイニングウィザード! 後頭部にシャイニングウィザード! 真正面からシャイニングウィザード!
カバーの体勢。カウント2.9で中邑が返した。
武藤がプロレスLOVEポーズをした瞬間に中邑が飛びつき式腕十字固めを狙うが、武藤がパワーボム!
武藤がシャイニングウィザード!
カバーの体勢。カウント2.9で中邑が返す。根性の中邑。
武藤がシュミット式バックブリーカー! コーナー最上段からムーンサルトプレス!
カバーの体勢。カウントスリー! 中邑返せない。王座移動。
やはり武藤は強かった。
バックステージで武藤は珍しく喋りまくった。
「引き出しが空になって、最後に残っていた引き出しがスピリットっていう、魂っていう引き出しが残っていた」
「オレが頂点に立ったことは事実だから。おっきく、波紋というか、ジェラシーでもいい、蝶野でもいい、レジェンドでもいい、若いヤツでもいい、おっきくうねってほしいですね。そうして活性化につながるのがベストだと思う」
「感動を与えられる試合ができるかどうか。それが一番のお客のハートをつかむ近道だと思いますよ」
「また逆行、針を戻したなんて批判食らうかもしれねえけど、そんなことかまっちゃいられないですよ」
記者が「武藤選手。新日本ファンから武藤コールが起こりましたが、それについては?」と質問すると、武藤は「嬉しいですよ。素直にね」
このままでは終われない中邑真輔と新日本プロレス。