石原さとみ主演の「Destiny」は先週の火曜日が最終回だったのでもうネタバレしても大丈夫だろう。
最近は私の周りでも、ドラマを見逃し配信で観る人が多い。
例えば、きのうの日曜日に「アンチヒーロー」を観て、私が「大島優子が・・・」と言いかけると「待って、まだ見てないから言わないで!」
こういうことがよくあるので、先に「きのう観た?」と聞いてからでないと話せない。
「Destiny」は感動した。面白かった。
石原さとみの名演が光った。
私はどんなドラマでも号泣シーンが多過ぎる作品は好きではない。
号泣すれば涙腺弱い視聴者はもらい泣きするが、涙は飾りじゃない。泣くシーンはあまり好きではない。
それよりもグッと涙を堪え、泣くのを堪える表情こそ俳優の力の見せどころだし、そういう演出のほうが好みだ。
全編にわたって石原さとみの表情の豊かさが光った。本当に魅力的な女優だ。
奏(石原さとみ)がまさか巨悪を完全に倒すまで行くとは思わなかったのでスッキリした。
奏の父(佐々木蔵之介)の潔白も証明できた。
最近悪役が多い仲村トオルも最後は奏の味方についたし、そのことで親子の仲も戻った。
裏MVPはやはり大畑節子支部長(高畑淳子)だ。
大畑支部長が奏の味方をしてくれたから事件が解決できた。
というより、大畑支部長が機転をきかせてくれなかったら、奏は真樹(亀梨和也)と恋の逃避行をした時点で検事の職も剥奪されていただろう。
恋の逃避行ではなく、逃亡した野木真樹を奏が一人で追いかけて確保したという話にしてしまった大畑支部長。
前田日明のキャプチュードよりも強引な大技だった。
気の毒過ぎるのは奥田貴志(安藤政信)だ。
ネットの考察でもあったが、安藤政信がただのいい人で終わるわけがないと勘繰り、私も同意見だったが、本当に誠実で優しい、何の落ち度もない素晴らしい医師だった。
男は度量を見せるためと、愛する彼女に信頼しているという気持ちを見せるために、過去の恋愛にはこだわらないという態度を取ることがある。
自分と出会ってからの恋愛は浮気だが、出会う前は誰と付き合っていようと関係ない。
しかし、奏のように、真樹と再会して、恋の炎が再燃してしまうことがある。
奏はもともと情熱的な性格なのかもしれない。
自分を裏切り、真樹と恋の逃避行をした奏を、貴志は許さなかった。
貴志は一発レッドカードで婚約解消という選択をしたが、当然だろう。
そして問題のラストシーン。
奏は真樹に「さよなら」を告げ、永遠の別れをするつもりが・・・。
「振り向いちゃいけない」と自分に言い聞かせながら即振り向いてしまう奏。振り向くのが速い。
笑顔の真樹と泣き顔の奏。
奏が真樹のほうへ向かって走って行くのがラストカット。
抱擁してキスがラストよりもセンスを感じる終わり方だった。
おそらく二人は結ばれるのだろう。貴志が風の便りにそのことを知ったら深く傷つくにちがいない。
ミステリーとラブストーリーの融合。
面白い、楽しめたドラマだった。