2008年1.4東京ドームのメインは、中邑真輔がランドスライドで棚橋弘至をフォールし、見事にIWGPヘビー級王座を奪取した。

 

山本小鉄がリングに上がり、セレモニーを始めようとした時、カート・アングルがIWGPヘビー級ベルトを肩にかけて登場。

 

場内が騒然とするなか、アングルがリングに上がった。

 

ついに二人のIWGPヘビー級王者が向かい合う。

 

中邑が「そのIWGP、オレが取り戻す! やろうじゃねえか!」と言うと、アングルは英語で「おまえは俺に勝てない」と豪語。

 

両雄は至近距離で睨み合った。

 

アングルが退場すると、中邑はマイクを持って叫んだ。「本物のIWGPチャンピオンはここだ!」

 

中邑は山本小鉄からIWGPベルトを受け取り、腰に巻いた。

 

勝利インタビューで中邑が熱く語る。

 

「自分を信じて、プロレスを信じて、本当に良かったと思います。プロレスには、夢と希望がつまっていると思います。こうして諦めずに戦ってきてきょうがあって、ホント、嬉しいです」

 

そして最後に、あの名台詞で締めた。

 

「いちばんスゲーのは、プロレスなんだよ!」

 

この言葉は中邑が2004年に言った言葉。

 

2004年頃は、K-1やPRIDEが大盛況で熱狂的なファンも多く、プロレスは押されていた。

 

そして、K-1と総合格闘技のリングで大活躍していたボブ・サップが、3月28日、両国国技館で佐々木健介を破り、IWGPヘビー級王座を奪ってしまった。

 

この時、中邑真輔がエプロンに立ち、マイクを持った。

 

「K-1とかさあ、総合とかさあ、オレよくわかんないんだけど。あんまり舐めんなよ」

 

ボブ・サップは目を見開いて驚きの表情で中邑を見た。中邑が叫ぶ。

 

「いちばんスゲーのは、プロレスなんだよ!」

 

このセリフを聞いてファンは大歓声を上げた。

 

 

2008年2月17日、中邑真輔とカート・アングルが2本のIWGPベルトを賭けて激突。

 

アングルの必殺アンクルロックに中邑は大苦戦するが、最後は腕十字固めで中邑が勝利した。

 

中邑は実力でIWGPベルトを統一した。

 

マニアックな質問をする記者が、二代目ベルトがどうの、三代目ベルトがどうのと言うと、中邑は「IWGPベルトは一つですよ」とキッパリ。

 

新日本プロレスを悩ませていたベルト問題は、中邑が実力で終止符を打った。

 

永田裕志も中邑真輔も同じことを語っていたが「カート・アングルは真のチャンピオンだった」と、闘ったからこそ、アングルの実力を認めていた。