今朝、テレビでショッキングな訃報を知った。
第64代横綱の曙太郎さんが今月、心不全で亡くなられていたとの報道に驚いた。
まだ54歳の若さ。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
横綱・曙の時代は若貴フィーバーに沸いていた。
大相撲中継が瞬間最高視聴率67%まで行ったことがあるというから、今では考えられない。
曙は外国人初の横綱で、11回も幕内最高優勝をしている。
2001年に引退した曙は、闘技者に転身し、2003年大晦日に「K-1 Dynamite!!」に参戦。
ボブ・サップとのスーパーヘビー級対決は話題を呼んだ。
瞬間最高視聴率は43%となり、紅白歌合戦の視聴率を超えた。
K-1の試合で個人的に印象に残っているのは、2004年3月27日、さいたまスーパーアリーナで行われた曙VS武蔵だ。
曙はK-1では勝てなくて、どうしても勝ちたいと思ったのか暴走してしまう。
2R、曙が武蔵をコーナーに追い込み、角田レフェリーがブレイクを命じても曙はブレイクせず、武蔵の脳天をグーパンチではなく、張り手でバン! バン! と何回も叩いた。
すると武蔵は失神してしまったのだ。
これが横綱の張り手の破壊力かと、改めて凄いと思ったが、反則攻撃だ。
試合を中断し、武蔵が回復するのを待って試合再開。
怒りの武蔵がフライングニールキックのような飛び蹴りを見せた。
結果は武蔵の判定勝ちとなった。
その後、曙はK-1でも総合格闘技でもふるわず、プロレスに転向する。
プロレスでは全日本プロレス、新日本プロレス、プロレスリング・ノアなどメジャー団体で活躍した。
曙を見たアントニオ猪木が口にしたことを私は覚えている。
俺ならヘタにプロレスの技を教えないで、ゴングと同時にいきなり顔面に張り手を炸裂してKOしてしまう恐怖の曙にした。
そういう趣旨の発言だったが、もしも猪木が曙をプロデュースしたら、小川直也以上の禁断のセメントレスラーになっていたかもしれない。
曙さんはプロレスラーになってからも横綱としての誇りを語っていた。
大相撲が原点なのは言うまでもない。
ファイターとしても活躍したが、ニュースでもやはり第64代横綱としての曙さんを重点的に紹介していた。
曙、貴乃花、若乃花、武蔵丸の四横綱時代は凄まじかった。
ファンの記憶に残る横綱であり、ファイターだと思う。