大相撲春場所千秋楽。心配されていた尊富士は出場した。

 

伊勢ケ濱親方は無理はさせたくないという気持ちだったが、尊富士は勝っても負けても出たいと。

 

ここで止めたら後悔させると思い、部屋もGOサインを出した。

 

尊富士の右足首には包帯が巻かれているが、きのうのように足を引きずっている感じではない。

 

対するは前頭6枚目で10勝4敗と好成績の豪ノ山。

 

尊富士は張り手から組みにいき、左を差した。右上手も取って寄るが、上手が切れた。それでも前へ前へと攻め、押し倒しで勝利!

 

ついに新入幕・前頭17枚目の尊富士が初優勝。110年ぶりの快挙だ。

 

そして初土俵から10場所目の優勝は史上初で、見事に大記録を打ち立てた。

 

尊富士は技能賞、敢闘賞、殊勲賞と三賞全部取った。

 

三賞独占ではなく、大の里も技能賞と敢闘賞を受賞した。

 

尊富士は13勝2敗という文句なしの成績。まだ24歳。来場所以降が本当に楽しみだ。

 

よく優勝した次の場所に崩れる力士がいるが、尊富士はこのまま驀進すると信じている。

 

 

高安は11勝4敗と見事な好成績だった。朝乃山は今一つ勝ちきれない。

 

朝乃山は若元春に敗れ、9勝6敗。若元春も9勝6敗。

 

前頭筆頭で9勝6敗の朝乃山はおそらく小結に昇進すると思うが、次は朝乃山の番だ。優勝してほしい。

 

 

尊富士と春場所を大いに盛り上げた大の里は、豊昇龍と対戦。

 

一気に前に出た大の里を豊昇龍が下手投げで破った。共に11勝4敗。

 

まわしを取らなくても一気に前に出る相撲で11勝をあげた大の里だが、これが課題かもしれない。

 

やはりまわしを取らないと土俵際で逆転負けすることがある。

 

 

霧島対琴ノ若は大関同士らしく激しい攻防を見せて大歓声を浴びた。

 

最後は霧島が上手投げで勝ったと思ったら物言い。軍配は琴ノ若。協議の結果、軍配差し違えで霧島の勝利。

 

霧島は5勝10敗で来場所はカド番だ。琴ノ若は10勝5敗。

 

 

尊富士は優勝インタビューでも堂々としている。やはり大物なのか。

 

怪我をしたので、本当に土俵に上がれて良かったという思いを素直に語り、優勝できたからこそ、余計に休まず出場して良かったという気持ちが強い。

 

「ホッとした」と言っていたが本音だろう。

 

千秋楽の放送席の解説は伊勢ケ濱親方だが、尊富士は「親方が解説だったんでいい試合見せなきゃ」とユーモアセンスもある。

 

新入幕の優勝は110年ぶりの快挙。初土俵から10場所目の優勝は史上初の大記録。

 

しかし尊富士は記録よりもファンの記憶に残る力士になりたいという目標、信念は変わらない。

 

皆さんの記憶に残りたくて必死に頑張った。

 

一日一日濃い15日間だった。

 

最後に親への感謝も述べた。

 

まだ相撲人生は始まったばかり。これからも「ファンに応える相撲」という強い気持ちは変わらない。

 

 

いつもと同じ顔触れよりも、新しい力士が登場するほうが盛り上がる。

 

尊富士と大の里からは目が離せない。番付が楽しみだ。

 

尊富士と大の里。ものすごい力士が出て来た。本当に大鵬クラスかもしれない。