2005年8月14日、両国国技館で行われた第15回G1クライマックス優勝決定戦・時間無制限1本勝負。

 

蝶野正洋VS藤田和之。

 

観客席には「橋本も見てる 頼んだぞ蝶野!」という横断幕が見える。

 

この年の7月11日、橋本真也が脳幹出血で急逝した。

 

橋本は6月22日にバラエティ番組の収録をして、長州小力にケサ斬りチョップを炸裂していた。

 

それくらい元気だった。本当に急逝だったのだろう。ファンは立ち直れないほどのショックを受けた。

 

喪中のG1クライマックス。田中リングアナも「この闘い、天に届け」と。

 

ゴング前から蝶野コールが巻き起こる。藤田は獲物を狙う野獣のように目をギラギラさせている。

 

ゴングが鳴ると、握手を求める蝶野。藤田は握手をすると見せてボディスラムから猛然と背中に膝蹴りを連打し、頭部にサッカーボールキック!

 

嫌な音がした。蝶野がダウンしたまま動かない。

 

レッドシューズ海野がカウントを数える。カウント8で立ち上がった蝶野に藤田が突進すると、蝶野がかわして藤田が場外に転落。

 

死んだふり作戦だったか、蝶野が場外でケンカキック連打!

 

リングに戻ろうとした蝶野に藤田が背後から捕まえてバックドロップ!

 

鉄柱を背をにした蝶野に藤田が膝蹴り・・・はよけられて鉄柱に自爆!

 

リング上。藤田がボディに膝蹴り連打、ストンピング連打! さらにデンジャラスバックドロップ!

 

藤田がスリーパーホールドから胴絞めスリーパー! 

 

攻めまくる藤田。ボディに膝! フロントスリーパー! 蝶野苦しい。何とかロープに脚をかける。

 

ブレイクしない藤田。海野が注意をする。海野の顔を見た藤田。その一瞬の隙に蝶野がバックドロップ!

 

しかしすぐに立ち上がる藤田がロープに飛ぶが蝶野がカウンターのフライングニールキック! この技は!?

 

蝶野がDDT! 大歓声が起こる。蝶野がシャイニングケンカキック!

 

カバーの体勢。カウントツウで藤田が返す。

 

コーナーでダウンする藤田に蝶野がシャイニングケンカキック! シャイニングケンカキック!

 

蝶野は3発目を狙うが藤田がカウンターの膝蹴り! 藤田がボディに肩に脇腹に膝膝膝膝膝!

 

藤田が「カモン! 立て!」と叫び、ロープに飛ぶと蝶野が膝にピンポイントドロップキック!

 

カウンターで入った。藤田が苦悶の表情。蝶野がSTF! いや、スリーパーの体勢のSTSだ。

 

藤田苦しい。蝶野が裏返して裏STS! ロープは遠いが藤田が自力で外した。

 

蝶野がすぐさまSTS! 藤田が必死の形相で這ってロープに近づくが、蝶野が藤田の頭部に肩に膝、膝、膝蹴り連打!

 

蝶野がシャイニングケンカキック! カバーに入るがカウントツウで藤田が返す。

 

顔面蒼白の藤田。想像以上のダメージなのか。

 

蝶野がシャイニングケンカキック! カバーの体勢。カウントスリー!

 

G1クライマックス5度目の優勝はもちろん最多記録だ。蝶野コールが巻き起こる。

 

観客席には「闘魂 橋本真也!」の横断幕が躍る。

 

蝶野がマイクを持ち「ありがとうございます」とファンに感謝し、出場選手全員をリスペクトしていると語った。

 

破壊王Tシャツをかかげながら歓喜するファン。

 

蝶野は、21年間プロレスをやってきて、いろいろなことを学んだと語り「プロレスに感謝しています。プロレスありがとう」

 

そして蝶野は天を指差し「それからもう一つ、何かもう一つ、違う力が、オレの背中を後押ししてる」

 

橋本コールが起こる。

 

蝶野は叫んだ。「オイ橋本! 2005年、G1チャンピオン、アイアム蝶野!」