2000年7月30日、横浜アリーナで行われたノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ・時間無制限1本勝負。
長州力VS大仁田厚。
一度引退した長州が復活したのは、大仁田の執念もあるが、福田雅一の存在が大きかった。
衝撃的なテーマソング・パワーホールが流れ、嵐のような大長州コールが巻き起こるなか、長州が入場。
長州は「一緒に闘う」という意味なのか、福田雅一の遺影を抱えて入場してきた。
田中リングアナはリングに入らず、花道から両選手をコールする。
褐色の長州の肉体はパンパンに張っている。
いよいよゴング。長州がいきなり両手で首絞め!
タイガー服部が止めるが、長州は無視して首絞め! 長州は、注意する服部のボディにキックを叩き込み、首絞め!
早くも長州は大仁田を力任せに有刺鉄線に叩きつけて爆破!
どよめきが起こる。放送席も「殺しかねないですよ」と焦っている。
長州は大仁田を軽々とボディスラムのように持ち上げると、有刺鉄線に投げ捨てて爆破!
ダウンする大仁田の背中に長州がストンピング!
無理やり大仁田を起こすと、長州が鉄拳! 鉄拳! 阿修羅と化すか長州。
久々に見る叩き潰す戦慄のプロレスだ。
大仁田がボディブローで反撃しようとするが、長州が猛然と蹴り上げる!
「来いこらあ!」とボディにキック! 鉄拳! 大仁田ダウン。
大仁田の右腕が切れて大流血している。
「テメー!」と長州が背中にストンピング! 鉄拳! ダウンする大仁田。口も切れて出血している。
早くも大仁田の目が泳いでいる。長州コールが起こる。
大仁田が金的パンチ、金的パンチ4連発からDDT!
ヘッドロックする大仁田だが、長州が押して押して押して、爆破!
血まみれの大仁田に長州が鉄拳! 強過ぎる長州。
長州が勝負に出たかブレーンバスターで叩きつけ、サソリ固め!
ロープブレイクはない。どうする大仁田。ここで終わってしまうのか。
サソリが崩れた。しかしもう一度長州がサソリ固め!
大仁田はギブアップしない。ロープに向かって這う大仁田。何をするのか。大仁田が有刺鉄線をつかんで自爆!
さすがの長州も驚きの目で大仁田を見た。
長州がリキラリアット! 大仁田が大の字。しかしフォールがないルールだ。
「来い!」と怒鳴る長州に大仁田が突進するがカウンターのリキラリアット!
助走をつけてリキラリアット! 助走をつけてリキラリアット!
完全にダウンしている大仁田に長州がサソリ固め! もはや返す力は残っていないか。
大仁田はギブアップしない。でも全く動けない。服部が試合を止めた。
7分46秒、レフェリーストップで長州の圧勝だ。
血だらけの大仁田は担架で運ばれたが救急車に乗る前、放送席から駆けつけた真鍋アナと会話する。
この時ばかりは殴ったりせずに、泣きながら真鍋アナを抱きしめる涙のカリスマ。
試合後の記者会見で長州は、もしも逆の立場だったらとても真似できないと、大仁田の執念を讃嘆した。