2000年1.4東京ドーム第7試合は、藤田和之VSキモのシングルマッチ。
互いに素手で闘う。危険な試合になる予感がする。
キモは191センチ、112キロ。見事にビルドアップされた鋼の肉体は全身刺青。
キモはUFCやK-1、シュートボクシング、PRIDEなど格闘技のリングで試合をしてきた。
桜庭和志、ブライアン・ジョンストン、クラッシャー・バンバン・ビガロ、永田裕志にも勝っている強豪ファイターだけに侮れない。
藤田がタックルで倒して上になるが、キモは下から腕を取りにいき、三角絞めを狙うが、ブレイク。
キモがキックを放つと藤田がタックル。キモが脚を取る。ブレイク。
キモがキックを連打するが、藤田が持ち上げて、投げ落として上になる。
ロープブレイク。
キモがフロントヘッドロック。藤田が強引にフロントスープレックス!
藤田が上になるがキモが腕を取る。警戒する藤田だが顔面にエルボー! 入った。
藤田が持ち上げて投げ落とし、上から顔面にエルボー、エルボー、エルボー連打!
キモが流血。しかし腕を取ったキモが腕十字固め! 決まっている。藤田が苦悶の表情。何とかロープに脚をかけた。
右腕を痛めたか藤田。それともキレたか?
藤田が猛然とタックルしてキモをコーナーに追い込むと、素手で顔面にパンチ連打、左右のフック、フック、フック連打!
これはいけない。タイガー服部が止めるが、藤田の膝蹴りがキモの金的に誤爆!
顔面蒼白のキモは場外に転落して、そのまま立てない。
服部がゴングを鳴らした。藤田の反則負けだ。
ブーイングが起こる。藤田も納得できない。しかし股間に完璧に入ってしまった。
その前に素手でのパンチ連打があるし、キモは戦意喪失なので藤田の反則負けもやむを得ない。
藤田が腕十字固めを極められて興奮してしまったのかもしれない。
4分2秒。まだこれからという時に試合が終わってしまった。
私がプロレスの試合で金的攻撃に対して、何度も何度も繰り返し批判するのは、こういうことである。
総合格闘技ファンは、こういうシーンをK-1やPRIDEなどで何度も見ているのだ。
金的に誤爆したらもう試合続行不能になる。これがリアルだ。
格闘技の試合で金的攻撃を故意にやるなど絶対にあり得ない。
格闘技の試合のローブローは100%誤爆であり、故意ではない。
バックを取られたら金的キック! 両脚をつかんで金的に体重を浴びせたヘッドバット! 背後から金的パンチ!
これを故意にやるのはショーであり、格闘技とは呼べない。
ただでさえプロレスは力道山の時代から「八百長だ」「ショーだ」と批判されてきたのに、レスラー自ら「プロレスはショーです」と言わんばかりの行為は、プロレスファンとして絶対に許せない。