2000年1.4東京ドーム第6試合は、山崎一夫の引退試合。
山崎は1962年8月15日生まれ、東京都港区出身。
81年に新日本プロレスに入門し、82年5月6日にデビュー。
UWFでキックと関節技を鍛えた山崎はカミソリシューターと呼ばれ、恐れられた。
37歳とレスラーとしてはまだ若い山崎だが、2000年の区切りに現役引退を決断した。
引退試合の相手は永田裕志。
永田がローキック! 山崎もローキック! 互いにミドルキックを放つ。
やはりキック合戦になった。
今度はグラウンドの攻防。山崎がワキ固めを狙う。永田が粘ると山崎が膝十字固め。
永田が防御して腕十字固め。ディフェンスする山崎。永田がアンクルホールド。山崎がアキレス腱固め。
ブレイク。
山崎がローキック、ミドルキック、ミドルキック、ミドルキック! カミソリの切れ味が炸裂する。
永田がミドルキックを打つが山崎が脚を取る。永田の延髄斬りをよけて山崎がアンクルホールド。
これはきつい。永田が苦悶の表情。何とかロープをつかんだ。
山崎がミドルキック、ミドルキック、後頭部にハイキック!
場外にエスケープした永田。山崎がトップロープを両手でつかんでプランチャ・・・はやらない。
リング上。永田がアームロック、腕十字固め。山崎がロープに脚をかける。
山崎がフライングメイヤーで投げ、背中に強烈なキック!
永田がエルボー連打、ミドルキック連打! 山崎をロープに飛ばすが返って来ないUWF戦士。
山崎がフライングニールキックを放つがかわした永田がフロントスープレックス!
5分経過。
永田が猛然とミドルキック、ハイキック、ハイキック! 山崎がダウン。
山崎が立ち上がると永田がミドルキック、ハイキック! 山崎が再びダウン。
永田がバックドロップを狙うが体を浴びせた山崎が腕十字固め! しかし永田が切り返して腕十字固め!
山崎がロープに逃れる。永田が大車輪キック! 入った。
勝負に出た永田がバックドロップホールド! カウントツウで山崎が返すと大歓声と大拍手が巻き起こる。
永田がもう一度バックドロップホールドでカウントスリー!
18年間のレスラー生活がここで幕を閉じた。大の字になりながら何を思う山崎一夫。
永田とブラック・キャットが山崎の手を取って起こす。
永田が両手両膝をついて頭を下げると、山崎も同じポーズ。晴れやかな笑顔の山崎。
リングサイドには前田日明と高田延彦が並んで座っていた。
いろいろな確執があった両雄が肩を並べて座り、同志の引退試合を見守っていた。
豪華なセレモニー。多くの人が山崎に贈り物を手渡し、言葉を交わす。
選手会からは平田淳嗣。大友康平が花束を持ってリングに上がるとどよめきが起こる。
ひときわ歓声が高かったのが前田日明だ。新日本プロレスのリングに上がったのはいつ以来だろうか。
山崎が満面の笑みを浮かべ、前田と何か話している。
そして、高田延彦、田村潔司、金原弘光、藤波辰爾社長、坂口征二会社が花束を贈る。
山崎がマイクを持ち、18年間を振り返り「長い間本当にありがとうございました」と最後の挨拶。
引退の10カウント。「山ちゃん!」と会場のあちこちから声援が飛んだ。
山崎は引退後も放送席の解説者となり、新日本プロレスに尽力していくことになる。