何かが起こる冬の札幌。1999年2月5日の札幌中島体育センターでも事件が起きた。
蝶野正洋の復帰戦。何と対戦相手は武藤敬司とヒロ斎藤。まさか1対2のハンディキャップマッチか。
武藤とのシングルマッチでも完全に互角なのに、二人いっぺんにかかって来い、俺一人で十分ということなのか?
蝶野コールが起こる。最初はヒロ斎藤が出た。蝶野がヘッドロック。
斎藤がロープに飛ばすと蝶野がショルダータックル! ロープに飛んでケンカキック!
ロープ際で斎藤がクリーンにブレイクすると蝶野が「張ってみろこらあ!」
怒ったか斎藤がボディブロー、ネックブリーカー! しかし蝶野がロープに飛んでケンカキック!
コーナーの武藤を指差した蝶野が「カモン!」
ついに武藤が出た。怒りの武藤が蝶野を場外に放り投げ、フェンスに叩きつけ、イスで首を殴打!
蝶野をリングに投げ入れると、武藤がフライングメイヤー、ロープに飛んでフラッシングエルボー!
武藤が蝶野をコーナーに飛ばすと、斎藤が激走してエルボー!
武藤がスペースローリングエルボーからフェイスクラッシャー! 斎藤がセントーン!
やられながらも「カモン斎藤えー!?」と怒鳴る蝶野に、斎藤が顔面かきむしり!
武藤がドラゴンスクリューからの足4の字固め! ここで決まってしまうのか。やはり1対2は無謀か。
この時、会場にどよめきが起こる。顔面にペイントをした金髪のレスラーが乱入し、コーナーポスト最上段に上がった。
野上彰だ。武藤にムササビプレス!
場外乱闘。野上が斎藤をイスで殴打! 蝶野が武藤をイスで殴打! 形勢逆転か。
リング上。タイガー服部が両手を上げてVサインのように2本指を立てているということは、今から2対2のタッグマッチを認めるということか。
5分経過。
蝶野と野上が武藤にパンチ攻撃。武藤が大流血。nWoスティングなど軍団がエプロンに上がり服部に抗議している。
野上が武藤を押さえて蝶野がケンカキック! ロープに飛んでケンカキック! ケンカキック3連発!
武藤が完全にダウン。
何とnWo軍の外国人レスラーが武藤を連れて控室へ行ってしまった。
今度は斎藤が1対2のハンディキャップマッチだがこれは無理がある。蝶野と野上が二人がかりの攻撃。
野上のドロップキックが蝶野に誤爆したが、斎藤の反撃にはつながらない。
蝶野と野上がWブレーンバスター! 蝶野がケンカキック! 野上がコーナーからミサイルキック!
カバーに入るがカウントツウで斎藤が返して歓声が上がる。根性を見せるか。
蝶野がSTF! これは苦しい。しかし頭に包帯を巻いた武藤が花道から登場。
リングインして野上にドロップキックを放った武藤が叫んだ。怒りの武藤が蝶野にパンチパンチパンチ連打!
斎藤が野上にセントーン! 武藤が蝶野にドロップキック! 斎藤が蝶野にもセントーン!
10分経過。
斎藤が野上にストンピング連打! 武藤が蝶野をコーナーに追い込み、武藤はコーナーに乗って脳天にパンチパンチパンチ連打!
この体勢は危ないと思ったらやはり蝶野が下から金的パンチ! 蝶野が武藤の両脚を持って金的ニー!
服部がゴングを鳴らした。無効試合だ。もはや試合になっていないという判断か。
nWoジャパン分裂。蝶野と武藤は仲間割れ。蝶野と野上が退場すると、リング上で大流血の武藤が絶叫する。
「チョーノー!」
斎藤が服部に襲いかかる気配。服部はリングを下りてエスケープした。
蝶野はnWoジャパン離脱。そして、AKIRA誕生だ。