1998年2月7日、札幌中島体育センターで行われたIWGPジュニアヘビー級選手権試合60分1本勝負。
王者・大谷晋二郎が6回目の防衛戦。挑戦者は一番の強敵といえる獣神サンダーライガー。
大谷のセコンドには金本浩二と高岩竜一。ライガーのセコンドにはエル・サムライとケンドー・カシン。
この6人が新日ジュニアのトップクラスか。
ゴングが鳴る。思い切りロックアップして力比べするように意地の押し合い。
ライガーが不意打ちの掌底! すぐにカバーの体勢。カウント2.5で大谷が返した。危ない。
ライガーがバックドロップを狙うが着地した大谷がロープに飛んでショルダータックル!
大谷がヘッドロックすると今度こそライガーがバックドロップ!
力比べ。大谷がワキ固め。ライガーがハンマーロックからWレッグロック、サーフボードストレッチ。
ライガーがインディアンデスロックからフルネルソン。大谷が下からアームロック!
効いている。ライガーが「NO! NO!」と叫んでいる。ロープに逃れたライガーが場外にエスケープ。
左腕を痛めたか。
リング上。大谷が執拗な左腕殺し。ワキ固めから腕固め! ライガーが「NO!」と苦しそうだ。
5分経過。
腕十字固めで左腕を攻める大谷だが、ライガーが防御してレッグロック。大谷がフェイスロック。
大谷が肘でライガーの顔面をしごく、しごく、しごくしごくしごく!
怒ったライガーが脚にニードロップからレッグロック。大谷の髪をつかみ「やるのかテメー!」
怯まずに大谷がアームロック! 「NO!」とライガーが叫び、何とかロープブレイク。
大谷の左腕殺しが続く。ロープを利して左腕を折り曲げ、左腕にストンピング連打!
ライガーがバックに回るがスピーディーなバックの取り合い。ライガーがバックを取って投げっ放しジャーマン!
さらにパワーボムで大谷をマットに叩きつけ、吊り天井! 吊り天井の状態からネックロック。変形カベルナリアか。
ライガーがキャメルクラッチ。しかし大谷がライガーの指を噛む。これはもちろん反則だ。
ブーイングが起こるが、大谷がネックロック。怒りのライガーが胴絞めスリーパー。
10分経過。
大谷が腕十字固め。上になったライガーが顔面にストンピング! 逆水平チョップ連打からあびせ蹴り!
大谷をコーナーに追い込み、顔面ウォッシュ! 顔面ウォッシュ連打!
怒ると思ったが大谷は人差指を振り「違う」とアピールし、ライガーをコーナーに追い込んだ。
「こうやってやるんだ」とばかり、大谷が顔面ウォッシュ連打! 助走をつけて顔面ウォッシュ!
ライガーが大谷をコーナーに飛ばすと見せてラ・マヒストラルに丸め込みカウントツウ。
ライガーが垂直落下式ブレーンバスター! 脳天から叩き落した。
場外に転落する大谷に、ライガーが勢いよくロープに飛んでトペ・・・はフェイントでプランチャ!
ライガーが場外で垂直落下式ブレーンバスター!
先にリングに上がったライガー。大谷がエプロンに立つとライガーが掌底、掌底、掌底!
粘る大谷にライガーがロープに飛んで掌底を狙ったが大谷がカウンターのスワンダイブドロップキック!
勝負に出た大谷がライガーボム! カウントツウでライガーが返した。大谷が泣き顔だ。
ライガーが大谷をコーナーに飛ばして掌底!
15分経過。
大谷をコーナーに乗せて、ライガーが雪崩式フランケンシュタイナー! カバーに入るがカウントツウ。
ライガーがロープに飛ぶと大谷がカウンターのローリングソバット!
またもや左腕を狙う大谷がアームブリーカーから腕十字固め! ライガーがロープに脚をかけた。
エプロンに立った大谷がスワンダイブドロップキックからの腕十字固め! ライガー苦しい。
ライガーコールが起こる。何とかロープブレイク。すぐに技を外さない大谷に大ブーイング!
大谷のローリングソバットは不発! ライガーが掌底からのエビ固めでカウントツウ。
勝負に出たか、ランニングライガーボム! カウント2.9で大谷が返した。
大谷をコーナーに乗せて、ライガーが雪崩式ブレーンバスター! カバーの体勢。カウント2.9で大谷が返す。
大谷は錯乱状態のようにリングを這いまわる。絶対に負けられない試合だ。
20分経過。
ライガーが大谷をコーナーに乗せて、雪崩式ブレーンバスターを狙うが大谷が体を浴びせた!
大谷がエプロンからスワンダイブドロップキック!
大谷がベルトを腰に巻くポーズからバックを取ってフルネルソン。しかしライガーが掌底、掌底、掌底!
ライガーがロープに飛んで掌底をかわした大谷がバックを取ってドラゴンスークレックス!
大熱戦だ。
大谷がエプロンからスワンダイブニールキック! カバーの体勢。カウントツウ。
驚きの表情の大谷。ライガーコールが巻き起こる。
大谷のローリングソバットをかわしたライガーが顔面に掌底! 後頭部に掌底!
大谷をコーナーに乗せて、ライガーが雪崩式垂直落下ブレーンバスター!
脳天から叩き落した。カバーの体勢。カウントスリー! 王座移動。
7ヶ月ぶり、9度目のIWGPヘビー級王者。まだライガー時代は続く。
放送席のマサ斎藤が「凄い試合でした」と両者を讃嘆した。
ライガーのライバルは多い。金本と高岩も虎視眈々とIWGPジュニアのベルトを狙っている。
きょうはライガーのセコンドについたサムライとカシンもライガーの強敵ライバルだ。
世代闘争やユニットに分かれての軍団抗争をメインにしてしまうと、プロレス本来の面白さを損ねる危険性がある。
プロレスはあくまでも個人闘争の格闘技だ。