週刊プロレスで毎週連載していた鈴木秀樹のコラムが打ち切られ、最終回を迎えてしまった。試合をしていないことが原因か?
しかし、今回は天龍源一郎との対談が5ページにも渡って組まれた。鈴木秀樹と天龍源一郎が人間風車ビル・ロビンソンについて語っているから興味深い。
鈴木秀樹が言うように「ロビンソン・パスポート」の威力はかなりあると思う。海外へ行ってもあのビル・ロビンソンの弟子というだけで重宝される。
ほかでもない私も、鈴木秀樹がビル・ロビンソンの継承者と知り、興味を持ち始めた。
今、ダブルアームスープレックスやワンハンドバックブリーカー、ロビンソン流のツームストンドライバーをやるのは鈴木秀樹くらいではないか。
天龍源一郎はビル・ロビンソンの現役時代を知る一人だ。タッグを組んだこともある。
鈴木秀樹の師匠はビル・ロビンソンだが、IGFではアントニオ猪木に指導を受け、ケンドー・カシンにも教わったというから、鈴木秀樹はコーチに恵まれていた。
私もビル・ロビンソンは大好きだった。華麗でテクニシャンで紳士的。絵になるプロレスラーだ。
フライングエルボーバットやドロップキックも決まっていた。フルネルソンをされても技術で簡単に外してしまう。
ネックブリーカードロップも独特だ。普通はただマットに落とすだけだが、ビル・ロビンソンは自分の肩に相手の首をガクンと落とすから痛烈だ。
天龍源一郎はレスラーの視点でビル・ロビンソンを語っている。
ビル・ロビンソンはアントニオ猪木との闘いでテクニシャンの本領を発揮していた。
全日本プロレスよりも新日本プロレスのほうが合っていたのでないかと。
なるほど、全日本プロレスはアメリカンスタイルで、派手な大技が主流の時代だった。ビル・ロビンソンが華麗な大技を披露していたのは全日本マットだからか。
新日本プロレスはグラウンドの展開を重視する傾向にあった。技術の高いビル・ロビンソンがアントニオ猪木と名勝負を繰り広げたのも頷ける。
実際にリング上で試合しているプロレスラーの視点は貴重だ。これこそプロレス専門誌の役目ではないだろうか。
これから鈴木秀樹はどこへ向かうのか。やはり海外でファイトするのか。
鈴木秀樹なら、海外でファイトしても週刊プロレスが報じてくれるだろう。