私が文芸を磨くために大事にしている10個の力は、文章力、表現力、詩心、ユーモアセンス、構成力、独創性、想像力、創造力、観察力、洞察力だ。
この10個を錬磨しようと日夜努力をしている。
小説を書くのだから文章力は当然大事である。これはもう一生磨いていくしかない。上には上がいる。やるからには最強を目指すのがプロレスラー魂だ。
次に表現力。描写力ともいえる。ありきたりではない、オリジナリティあふれる表現力、描写を心がけたいと思っている。
詩心も大事だ。小説の中で景色を描く時もこの詩心があると見事に決まる。詩心あふれる文章。品格のある文体は読んでいて気持ちがいい。
笑える漫画はたくさんあるが、笑える小説というのは少ない。私は読者を笑わせたい。ユーモアはかなりの武器になる。
ただ漫才や落語と違い、小説の場合は読者が笑ったかどうかはわからない。
これは日頃の会話で磨き鍛える方法がある。どういう話で人は受けるのか。どういう話で滑るのか。ユーモアセンスは磨くしかない。
小説でもブラックジョークはかなりの武器になる。
ブラックジョークとは「ああ、それ言っちゃった?」というものだ。多くの人が思っているが、それを言ったらおしまいなので言わないことを、言ってしまうのがブラックジョークで、両刃の剣でもある。
私も小説で、序盤に伏線を張り、後に回収するという手法をよくやる。それには構成力が必要だと思っている。
今はわからないが、ケータイ小説が流行り出した初期の頃は、何の構成もなしにケータイでピコピコ打って小説を書いていた人がいたが、やはり途中で矛盾が生じて支離滅裂になる。
私はラストシーンまで考えてからでないと書けない。
前にも話したが、独創性こそ「プロレス的文学」の生命線である。
こればかりは個性を磨くしかないと思っている。作者が独創的な人間であれば、小説も自然に独創性あふれた作品になる。
ブルーザー・ブロディ、ザ・ロード・ウォリアーズ、長州力、ハーリー・レイス、武藤敬司。独創的なレスラーは、やはり試合も独創的で面白くなる。
想像力は小説家にとって絶対的に必要な力だと思う。妄想力に自信のある人は小説家に向いているかもしれない。
そして、想像力は創造力を生む。
観察力と洞察力も非常に大事で、日頃から人やものをよく見ることを心がけている。
人物観察は、小説の登場人物の描写に役に立つ。人は喋り方も仕草も十人十色。みんな違う。
鋭い洞察力は、人の心の中を描く時に力を発揮する。だから人の気持ちがわかる。人の痛みがわかるというのは武器になる。
いよいよ、これからプロレス的文学について詳しく語っていきたいと思っている。
人に語ることにより、書くことにより、さらに自分の方向性が強固になるという利点もある。