(その9)のつづき
車を降りて意味もなく車の周りを歩きました。
もう一度車に乗り込み運転席に付きました。そしてこう思ったのです。
「とりあえず、前に進んでみよう」
そして、とりあえず、イグニッションを回してエンジンをスタートさせました。
ギアをローに入れ、ゆっくりとクラッチを繋ぎ車を発進させました。ちょうど、後方から車は来ておらず、直ぐに車線に入ることが出来ました。
直ぐにあった交差点手前で右折車線に入り(日本の感覚では左折)ちょうど赤信号だったので一旦停止、ハンドル左側にあるウィンカーを右に指示させました。
信号が「青」に変わり、またゆっくりとクラッチを繋ぎ車を発進、とにかく他の車の流れを止めないように、迷惑を掛けないように努めました。
進んでいく道は先程の道からはかなり車の量が減っていきました。
両サイドに流れる風景は、閑静な住宅街?いやいや、ちょっと雰囲気が違いました。
どうやらそこは工業団地内のようでした。聞いたことはありませんが、建物に入る門に掲げた看板を見ると、当然のことながらフランス語で書かれていましたが、◯◯企業のようなことが示されているようでした。
とはいえ、大型トラックが横行するわけではなく、緑も多く綺麗に整備された道を半ば「教習所」のようでした。そこで、「ではここで何周かしてフランスの道に慣れるか」と決めました。
そこにはフランス特有のロータリー交差点があり、直進、右折、左折、を繰り返し練習しました。もちろん、「右側通行」にも慣れる練習もしました。
免許を取って20年ほど経ちますが、まさかその今の自分が車の運転にビビり、公道を走れない状態に陥るとは、そこまで予想出来ませんでした。
そして、その練習走行の間も現在地を拾ってくれないiPhoneナビ(Sygic)だったのです。
まさか?これは、騙されたか?1700円払って購入したアプリが実はまったくの「クソ」だったのか?
道の途中にあった駐車スペースに車を一旦止めて、もう一度iPhoneとにらめっこしてみました。
「もう、最終手段しかないやろ」
と、決断したのでした。
ちなみに、日本を出る際にどこかのサイトで書かれていたオススメグッズを活用しようとしましたが、これはちょっと正直厳しいかな?と。それが左のこれです。
フランス、といえば、ミシュラン君
というわけで、「ミシュラン公認のロードマップ」でございます。
防水性のある紙を使用し、フランス全土の主要道路はすべてカバーされています。が、この時の状況では申し訳ないくらい「使えない」ものでした。
はい、これが「最終手段」ではありません。
答えは「iPhoneの電波をフランス地元の携帯会社の電波に繋ぐ」でした。
先にも書いたと思いますが、パケ放題ではない通信会社に繋ぐのは後から高額な請求が来る可能性があります。うかつにそれをしてしまうのは、楽しい旅から帰った後に起こる悲劇になる、と容易に想像出来ます。
レンタカー屋でナビを借りなかったことを後悔した訳ではないですが、ナビ無しで初めて訪れた異国の地での旅は不可能です。
「もう、どうにでもなれー」と設定画面から航空機モードを解除、フランス国内でソフトバンクとの提携関係がある?とある通信会社の電波に繋ぎました。
すると・・・GPS(位置情報)は拾い始めたのです。地図上にはほぼ間違いなく、自分が今車を止めている場所が表示されたのです。
少し興奮気味で車を動かすと、地図表示が同時に動き出しました。
「これは行けるかな?大丈夫かな?」
車を発車させると、そこがタクシー専用の駐車スペースだったことが分かりました。道理で、私の車の後ろにはタクシーが止まっていました。もしかしたら、これはフランスでは罰金の対象になっているかもしれません。今後気をつけなければ、と目的地に「モンサンミッシェル」と入力し、車を発進させました。
本日はここまで、(その11)につづきます。