Yさん受傷し、総合病院にタクシーで到着したものの、やはり午前診には間に合わなかった・・・

だけど、窓口で出血が止まらないことなど伝えるとERでみてくれることとなった。

 

非常勤先生だったが、その場で点滴用の清潔な水でじゃばじゃば傷を洗い、

傷口に指を突っ込んでポケットを確認した。

見ていても痛そうである。

しかし認知症のあるYさんは麻酔なしでも一向にいたがらない。

さらに今からデブリするからとさらっとジュニアに告げ処置室から追い出し処置の準備をした。

この時やっぱりなと私も思いながら処置室に居座りYさんがいつ痛いスイッチが入るのかわからないので

「Yさんごめんね。関節押さえるね。痛いかも知れへんからね」というと

「痛くないよ。(押さえても)いいよ」と返事があり、処置段に横たわっているYさんの足にまたがり関節を押さえる。

その間先生と看護師でミニ手術が行われた。

壊死組織をチョキチョキ切り取り、ドレナージ目的で点滴のピンク針を留置し、縫合し包帯をまき

処置を終えた。

「せんせ!今から私精神科病院に行ってカンファに行かんなあかんのです。一緒に来たジュニアさんは

聞いただけじゃあ、混乱して覚えてないかもしれないので紙に書いて教えてあげてください!」と

言い置いて、ダッシュで次の病院に向かったのであった。