ある27才の女性の生徒さん。
とある欧州出身の彼女。
彼女は耳が聞こえにくい。
補聴器も以前使っていたけれど
頭痛がするので使っていない様子。
最近ますます聴力が下がってきており
そのうえ精神的にも喋るということ事態が難しいので
英語も喋れない。
外見はおしゃれ大好きな27才の若者。
実はシングルマザーで
3才の娘さんと二人で
異国の地イギリスに住んでいる。
そしてクリーナーとして頑張りながら
カレッジに通っている。
彼女とのコミュニケーションはGoogle翻訳。
ありがたいことに、ネットがあれば
何語であっても何の問題もなく誰とでも意思疎通ができる。
若いからタイピングも速い。
私もパソコンならさくさく打てるので
ちょうどよいテンポ。
これまで彼女の耳の件について
GPに予約の電話を入れたり
その際通訳を予約したり
授業外でもサポートしてきた。
やっと病院に検査までこぎつけた。
この遅いイギリスで数か月かかった。
前進中。
耳が聞こえない分
勘が鋭いので
空気をとても読む。
私も比較的空気を感じ取る人間なので
彼女がものすごく気を使っているのが伝わる。
そして、最近新たな問題が・・・。
彼女の娘さんが自閉症の疑いがあるということ。
イギリスで病院に見せるのに
言葉や聴力の壁があるので
母国に帰って病院に通っているらしい。
そのため度々母国に帰っている。
ということで、イギリスのGPに
彼女の娘さんを診て貰い
適切な援助を与えてはいただけるように
サポート中。
まず、ナーサリーにレポートを書いてもらうことから
お願いした。
色々電話したりしているときに
私の電話の表示画面から
子供達と私の写真を見た彼女。
私の状況を聞いたので
色々話す。彼女がリラックスしたのがわかった。
自分だけじゃないんだ、って思ったのかも。
さて、彼女に聞いた。
(なぜ、こんな大変な状況なのに
イギリスに来たの?
母国の方がサポートがあるしいいんじゃないの?)
と。
家族のサポートもなく
私が一人で3人の子育てをしている立場で
言える立場ではないけれど
理由を聞いてみた。
すると、
(母国は、生きるのに大変。
治安も病院も教育のレベルも低い。
娘に良い環境を与えたい。)
とのこと。
そっか・・・。
誰にも分からないことはあるよね。
それ以上聞かない。
彼女がタイプした。
(実は最近ますます耳が聞こえなくなっている。
一生聴こえなかったらどうしよう・・・)
と涙を流していた。
不安だろうな。
子供を守らなくちゃいけないという必死な気持ちで
毎日生きているんだろうけれど、彼女は
誰か頼る人いるのかな・・・。
私ができることはしているけれど
少しだけしかできないし。
私が想像するよりはるかに
恐怖と隣り合わせだろう。
彼女の眼をじーっと見て
ほっぺいきなり使って
耳元で大きな声で
「Smile!!」って
にーっと笑って見せた。
いきなりの私の行動に
彼女がびっくりした顔で私を見た。
(こんな苦しいことがあなたにふりかかるってことは
あなたには乗り越えられるすんごい力があるってこと。
あなたはすごい人なんだよ。
神様は絶対あなたを守ってくれている。
あ、でもね、わたしはクリスチャンじゃないけどね(笑))
彼女は泣き笑い。
(辛いことあるけどさ
人生笑ったもん勝ち。
大丈夫。私が一生けん命助けるから。
だってさ、わたし48才でしょ。
あなた27才。
私が母親でも別におかしくない年じゃない。
あなたは娘よ。だから大丈夫。)
根拠のない自信炸裂だけれど
とりあえず、勉強に集中できる環境を作るまで
私もがんばる。彼女のサポートができるまであと数か月。
私の信念、
「できることを
できるときに
できる範囲で」
彼女をサポートしようと思う。
彼女は幸せになれる!!
うん、間違いない!!
PS
マウント先生のその後・・・。
明日が上司から授業の視察が入るので
超ピリピリしている彼女。私にまで彼女の評価を
聞かれるので、人の評価をめちゃくちゃ気にしている彼女には
恐怖でしかないであろう。
今日は妙にプライベートを聞いてきて
いつもは絶対聞かない私の家族について
「娘ちゃんは元気?家族は大丈夫?」とか
コミュニケーション取ってきた。
なんだかかわいそうに思えてきた・・・。
自信がないんだよね。
あなたのことチクったりしないよ。
すり寄ったりもしないけれどね・・・。