カレッジで3人の生徒さんとインタビューすることになった。

 

一人は38歳の女性。見た目もしゃべり方ももうイギリス現地人だったので

てっきりネイティブかと思って話を聞いていた。

見た目はおねえちゃん系でたばこぷかぷか吸って

る化粧しっかりしているきれいな方。

しかし、話を聞くと壮絶。

トルコで生まれ、14歳で結婚させられ15歳で出産。

18でイギリスにやってきてロンドンにずっと住んでいたけれど

1年半前にこの街にやってきたらしい。

喋れるけれど、読み書きが難しいらしい。

トルコで学校に行ったのも小学校だけだったって。

 

20年前にやってきて、シンママで、ロンドンに最近まで住んでいたなんて

10も歳は離れているけれど親近感湧く。

おまけにタバコばりばり吸っているのに、喘息って。

声もハスキーになっちゃってるし。

いやいや、やめようよ・・・とはさすがに言えなかった。

子供も我が子たちと変わらない年だった。

とても優しそうで真面目そうなお母さんだけれど

鬱っていってたから、やっぱり色々大変だよね・・・。

 

 

 

さて、お次は53歳の女性。

私とそんなに年は変わらないのに

なんだ、この落ち着きはなんだ?

この方も元々はガーナ育ちで

学校には一度も行ったことのない女性。

彼女も15歳で子供を産み

長男さんはもう38歳だって。

そして一番下のぼっちゃんは13歳の4人のお母さん。

明るくて悲観的な感じが全くない。

トルコの女性同様、話すのは上手だけれど

読み書きがとても苦手。

美しい字で書くのだけれど、綴りが覚えられないって。

(私ももし今から英語を1から勉強って言われたら絶対覚えられないもん。)

 

 

 

さてさて

お次の方。

24歳の男性生徒さん。

アフガニスタンからやって来たきょとんとした柔らかな顔。

甥っ子と同じ年でますます親近感。

穏やかな顔から想像を絶する衝撃の体験談を聞かされた。

まず、戦争から逃げ出すために

奥さんと赤ちゃんと逃げたのだけれど、奥さんと赤ちゃんは逃げるのが

遅かったためイランに住んでいるらしい。

自分だけイギリスに来て難民申請で永住権を取ったら

奥さんと赤ちゃんを呼ぶって言ってた。

まず、アフガンからトルコまで飛行機。

それから歩いてブルガリヤ通ってハンガリー抜けてフランスまで

歩いて来たらしい。

お金がないから、食べ物を買うこともできず、

多分だけれど国境あたりで食べ物を援助してもらっていたのではと思う。

グーグルマップ調べによるとブルガリアからフランスまで徒歩で22日かかるらしい。

そしてフランスからはボートに乗ってイギリスに来たって。

歩くうちに木の枝が足にささって破傷風のようになっていると言っていた。

難民を嫌うイギリス人はたくさんいるし

現にこの穏やかだと有名なこの地方都市でも難民収容のホテルでは

抗議運動が行われている。

しかし、彼の話を直接聞くと複雑な気持ちになる。

気迫も根性も体験したこともけた違いなのだけれど

謙虚で穏やかな表情の彼。

イギリスについて4か月しか経っていないけれど

真面目で飲み込みも速く若いのでぐんぐん伸びるはず。

どうぞ、たくさんの幸せがやってきますように。

 

 

 

イギリス人も日本人も

そりゃたいへんな人もいるだろうけれど、

このカレッジに来て

壮絶な話を聞くたびに

けた違いだな・・・と思う。

 

 

こういう話を聞いて

私ができることは

カレッジの中で

穏やかに授業が受けられるように

まめにコミュニケーションをとって

私ができる範囲で

サポートしたいと思うのだった。

 

 

今置かれている環境に

感謝せざるを得ない。