昔、井上堯之バンドというすばらしいグループがありました。(今もありますが)
ジュリーのバックバンドでしたが水準の高いアレンジ、高度な演奏技術と心暖まる
表現力等が業界では定評があり、僕もそういった彼らの演奏の虜になってしまいました。
バックバンド以外にドラマ音楽や映画音楽(「太陽にほえろ!」や「傷だらけの天使」
などは超有名)などですばらしい作品を残しています。このバンドにすごい憧れを持ち、
なんとかこのバンドのメンバーの一員になれないものかと、真剣に考えた時もありました。
新聞や雑誌などで井上バンドというクレジットを見つけるだけで何ともいえない興奮を
覚えました。個々のミュージシャンにというよりもバンドに対する憧れ、格好良さ、バンド
名の響き等に痛烈な思いを持ってしまいました。井上バンドの初期の頃は井上堯之グループ
という名でコンサートやレコード等にクレジットされてました。この「グループ」という響きに
すごい憧れを持ったのはこの頃からでした。

ある年の夏、我々のバンド、加藤英紀グループではなく「ラブソディ&ブルース」は軽井沢
にある美空野別荘地に合宿に行きました。コウの親戚の方の別荘だそうで、1週間貸してくれる
とのことで僕たちはレンタカーに機材を積み込み、夜11時に三宮を出発しました。
車中の5人のはしゃぎぶりはそりゃ、ひどいもんでした。車の中だというのにドラムセット
組んで、発電機炊いて大音量でギター弾きまくるわ サックスはギャーピーギャーピー吹き
まくるわ・・・そして、そのうちジャズのセッションになだれ込みます。中央高速の他の車の
方々がこっちの異常な状況に目を丸くしてるのがおかしくってね。女子大生20人くらい乗せた
観光バスが追い越していった時なんぞは、即追いかけて 窓全開で俺たちの演奏を披露し
たんです。すると女子大生たちもすごく盛り上がって、そのまんまドライブインまで一緒に
行き、ちょっとしたライブをやり出しました。大受けに気をよくした僕たちでしたが彼女らの
行き先が同じ別荘地と知り メンバー全員笑いを押し殺し、明晩現地での再会の約束を取り
交わしました。