私がよく通る道路沿いに、
激安マッサージ店がOPENした。

 


看板には
『全身もみほぐし60分 1980円!』
と書かれている。


安い。。。。
怪しい。。。



相場よりかなり安すぎる値段設定、
何か信用できない香りがプンプンする。

リラックスしてよだれを垂らして
居眠りしている間に

カードをスキミングされるとかゲッソリはてなマーク


もしくは
“シャチョサン、別料金ネちゅーハート
とか言われて、

ぼったくられるとかゲッソリはてなマーク

(潜入調査番組見過ぎw)


極度の肩こりで悩んでいる私は、
『全身もみほぐし60分 1980円!』
すごく興味はあったのだが、

 


なんとなく見ないふりをして
毎日そのお店を通り過ぎていた。


そんなある日、
私の行きつけの美容室で、
担当の美容師さんが

 


『あそこのマッサージ屋さん、
 こないだ行ってきたよ。
 スタッフ全員、中国人だったけど。
 本当に安くて、よかったよ。
 弟にも勧めたんだよー。』


と話していた。


ぇ〜はてなマークびっくりマークびっくり

ほんとにほんとに
そんなに安くやってくれるのはてなマークスター

 


興味深々になった私に、
美容師さんは

 


『でもその時の店員さん、
日本語あまりわかんないみたいでさ、
予約の電話がきても

聞き取れないみたいで、

 

お店に来てたお客さんに電話変わって
予約とってもらってたんだよ笑笑い泣き


と言うではないか。

 


なんだそれびっくりマーク

 


超おもしろい。。笑い泣きラブラブラブラブ


そんなおもしろい話は私の大好物である。
それはもう完全に、
実際に足を運んで確かめるしかない。


数日後、さっそく

お店のドアをたたいてみた。


「いらっしゃいませ・・・真顔

(スーパーローテーション)」


決して

「いらっしゃいませ」ではない雰囲気と、

 

「なんかすいません・・・。驚きと、

こちらが委縮するほどの

ローテンションで迎えられた。

 


その後は無言・・・タラータラー不安


美容師さんから、

券売機で券を買うとシステムと

事前に聞いていたので、

なんとか60分の全身もみほぐし券を購入。


おそるおそる店内を観察すると

その日のスタッフは

男性二人と女性一人、

いずれも中国人のようだ。


少し待ってから私の番が回ってきた。

 


担当してくれたのは

すっぴんだけどきれいな顔立ちの

中国人の女性だった。


女性「こちらへどうぞ。」

私「はい」

女性「髪長いデスネ」

私「あ、はい!」

・・・・



そんな、整体とは関係ない一言二言をかわし、

マッサージがスタートした。

 


確かに

とっても上手びっくりマークラブ

 


体つきの細い女性だけれども、

本当に力が強くて的確な施術に

超絶肩こりな私は

すぐによだれモードに突入した。


極楽~~~~~♪


その時、お店の電話が鳴った。

プルルルル・・・プルルルル・・・

プルルルル・・・プルルルル・・・


あ、電話来たな。

誰かとれるのかな。と思った瞬間、

 

 

私の背中の上で「はい、〇〇です」

と電話を受ける声が。

 

・・・・って

あんたがとるのかい笑い泣き


彼女は左手で

私の肩をマッサージしながら、

右手で予約の電話を受けている。

 


うう・・・うん。

まあ忙しそうだし、

人足りてないみたいだしね。

まあいっか滝汗滝汗


電話を切ると、担当の中国人女性は、

「ちょっとすみません。」と

私の背中から下りると、

予約表のバインダーを取りに行き、
今とった予約を記録しているようだ。


彼女は「スミマセンでした。」と

すぐ私の背中に戻ってくると

マッサージの続きを始めた。


予約の電話も取って施術もして、

大変だなぁ。と思いながら、

 


「あ、大丈夫ですよ」等と返事をした。


5分後、また電話が。

 


プルルルル・・・プルルルル・・・

プルルルル・・・プルルルル・・・

 


「はい、〇〇です」


だよね~~びっくりマーク

私の上で

電話とるよね~びっくりマーク

予約受けるよね~びっくりマーク



あれ?

今度は私のお尻の上に

予約表のバインダー置いて、

なんか書き出した。


・・・って、

尻の上で予約時間記入するよね~~~

 


私の背中の上で

全業務こなすよね~~~~笑い泣き笑い泣きアセアセ


もうピンクハートキャリアウーマンおいでラブ

 


ってコラーーーアセアセ笑い泣き


もう、なんだか笑えてきてしまった。

 


マッサージの台の丸い穴から顔を出した私は

心の中でノリツッコミをし、

お尻の上で予約表の記入をされる

感覚を味わいながら

 


背中を震わせて

笑いをこらえるのに必死であった。


シメに中国人の彼女は

『お客さん、キレイデスネ。

ビジンデスネ。』

お愛想まで言ってくれて、

60分の施術が終了した。


マッサージはとっても上手で

体もすっきりしたし、

ひそかにかなり

笑いのツボも刺激してくれたので
本当に有意義な60分だった。


きっとこのお店の中国人は、

お客さんの背中の上で電話を取ることも

 


尻の上で予約表の記入をすることも

悪いとは思っていないのだろう。

 


きっと「そんなことしたら失礼」と思う

日本人と感覚が違うだけなのだ。


・・・・それから半年ほど経過した

ある日のことである。


私は体調不良と猛烈な忙しさが重なり、

ヘトヘトになっていた。

 


あまりのだるさに食欲も無くなり、

何か他の病気なのでは・・?

疑うほどの具合の悪さに見舞われていた。


やばいな、何とかしなくては・・。

と考えていたところ

とりあえずマッサージでも行って

体をほぐしてこようかな?と思い立った。


15分ほどのマッサージで

回復できる気もしなかったので、

やはり1時間くらいは

じっくり施術してもらいたい。

 

 

と、思い出したのが

半年前に一度だけ訪れた、

スタッフが中国人のみ

このマッサージ店であった。


私が以前にこのマッサージ店を訪れてから

しばらくたったころ、

私の行きつけの美容室の美容師さんが

再度そのお店を訪れたところ、

スタッフはだいぶ入れ替わっていたという。


ちなみに前回その美容師さんを担当した

中国人スタッフは、

なぜかカンフーの格好をしており、

施術の最後に

『今日はここまで!!』

とキメ台詞を言う、という事だった。


再びこのお店を訪れることに

なんとなく心配が頭をよぎったが、

それよりもこんなに安値で

1時間もマッサージしてくれるお店が

他に思い当たらなかったため、

意を決して再度お店のドアを開いた。


中に入ると急いで店内に目を走らせたが、

どうやらカンフーおじさんはいないようだった。


その日は女性スタッフ2名と

男性スタッフ2名が出勤らしく、

それぞれお客さんに

マッサージをしている最中だった。


その中の男性スタッフから、


『予約シテルー?』

“料理の鉄人”の金萬福(きんまんぷく)さんを

彷彿(ほうふつ)とさせる口調で質問されたため


「してないです・・。」と答えると、

萬福さんは

『じゃぁ4時ダヨー!!

とデカめの声で宣言した。

 

 

参考画像:金萬福
 

 

時計を見ると、3時過ぎだ。


仕方ない、4時まで待つか・・と、

1時間マッサージの件を券売機で購入した。


いや、待つのはいいとして・・


なんとなくこの萬福さんが

私の担当になるのでは・・という

理由もなき不安が心に浮かんできた。

 

 

萬福さんの

何が問題ってわけではないのだけど、

何かが起こりそうな

野生の勘というのだろうか。


私はこっそり券売機に戻ると

追加で200円を投入し、

そっと【女性スタッフ指名】

ボタンを押した。


その瞬間だった。


『今、何買ッターー!?ムキー

鋭い萬福さんの声・・。


ビクッッ!!ガーン


私は恐る恐る券を見せ、

「女性スタッフ指名・・」と自白した。

 

 

すると萬福さんは

答える私の声にかぶせ気味に

『女性は4時半!!(怒)』

大きい声を出す。


ビクッッ!!ガーン


「じゃ・・じゃあ、

女性じゃなくていいです・・。」


そう言うと萬福さんは

『オ金、返スヨ~』と少し優しい口調になり、

なぜか自分の財布から100円玉をくれた。


いや、女性指名券・・・

200円だったんですけど・・ショボーンアセアセ


とにかく4時まで時間をつぶそうと

一旦外に出て買い物など

野暮用を済ませることにした。


・・・・・・・・


用を済ませた私は、

4時になる5分前に

マッサージ店に戻ってきた。


再びお店のドアを開けた瞬間、

先ほどの萬福さんがマッサージ台の上で

なにやらお客さんに

さそり固めのような技をかけ、

お客さんが大きなうめき声を

あげているのが目に飛び込んできた。

 

 

参考画像:サソリ固め

 

まじか・・・!?ガーン


さそり固めをキメられているお客さんを

横目に見ながら、

そっと待合室の椅子に座る。

恐怖で動悸が止まらない・・・。

 


やばい。


やはり萬福はやばい・・。


私の直感通りだ。



スタッフはそれぞれ

施術を始める前にタイマーをセットし、

時間になるとタイマーが鳴って

施術終了なのだが、

 

 

果たしてこの中の

誰のタイマーが鳴るのか・・・?


待合室の椅子で待っているのは私だけだ。

ということは、

次にタイマーが鳴った人が私の担当だ。


さっき、女性は4時半!!

言われたよな。


となると・・

残りは萬福か、もう一人の

おとなしそうな男性スタッフだ。


心臓が高鳴る。

ギュッと目をつぶって下を向き

運命の瞬間を待つ。


どうか、

どうか萬福だけはゲッソリびっくりマーク


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その時だ。


ピピピピッ!

ピピピピッ!

ピピピピッ!



ハイ、萬福キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!



まじか・・・滝汗

絶対こうなると思った。

私っていつもこうなんだ・・。


せっかく癒されに来てるのに・・ゲッソリ


しかし・・。


まじか・・。のあとに、

 

 

よし・・

なんか面白い不幸が起こるニヒヒラブラブ

 

 

期待している自分に

気づいてしまった。


いや、もっと言うと、なにかしらの

ひどい目に合った不幸な自分を

笑いたい私はどんな時も

存在している気すらする。


望んでるから、

かなえてくれてるのか・・

神様・・。

ありがとう・・笑い泣きお願い



かくして、

私は1時間みっちり萬福さんを堪能し、

最後にさそり固め風ストレッチで

先ほどのお客さんより

大きなうめき声を発して帰ってきた。


そして萬福さんのおかげか否か、

今はすっかり体も軽くなり、

いつもの調子を取り戻したのだった。


ちなみに、うつ伏せで背中の

マッサージを受けている途中、

 

 

隣のマッサージ台で

女性スタッフがお客さんに

『顔ピンクでカワイイネ!!』

と言っているのが聞こえ、

 


顔ピンクとはどんな状態なのか

本当に気になって仕方なかったが、

タイミング的に

確認することができなかったのだけが

心残りであった。


毎度なにかしらの事件(?)が巻き起こる

このマッサージ店、

今後もしばらくは目がはなせなそうだ。

 

 

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