ごきげんよう・・・と言えないさわこです。

 

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21年と8カ月一緒に暮らした雌犬のおじゃるが

息を引き取りました。

人間年齢では120歳を超えていたと思います。

モーセさんくらいの長命でした。

モーセさんのように目もよく見え、

足腰もしっかりして、

若い時ほどではありませんが、

ゆっくりと町内パトロール的お散歩もしていました。

 

でも、ここひと月くらいは、

よろよろなってすぐに倒れてしまうようになりました。

悔しいけど、人間年齢120歳なら、しかたないさ。

 

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若い時は、父さんと一緒に、長距離も山歩きもどんどんしていました。

 

時々、おとうちゃまと散歩している夢を見ると、両手両足を動かしているの。

姉ちゃんやおかあちゃまに、いい夢見てたね。どこに行った夢だった?

って聞かれたりした。

 

我が家は子どもたちが小さい時から、犬のいる生活でした。

どの犬も、知り合いの家で生まれた雑種犬ばかりです。

雑種犬は丈夫なので年に一度の狂犬病の予防注射だけ。

 

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最初の2匹は雄犬で、家出をして帰ってきませんでした。

小動物センターに問い合わせて

捕まっていないか聞きましたが、いないんですね。

どこかの誰かに保護されて、他所の家の子になったのかもしれません。

 

それで、数年間は飼っていませんでした。

犬の方に見放されたと言いますか、

犬に選ばれなかったのは、犬を飼う資格が無いように思えたんですね。

 

子どもたちも小さかったし、

犬にかまってやれてなかったことは自覚していましたから、

私は犬の飼い方が下手なんだと思っていました。

 

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数年後、「やっぱり犬を飼いたい」と、

夫が雑種の雌犬をもらってきました。

3代目の「ぬう」です。

 

まだお喋りも出来ない末っ子が

「イヌ」と言おうとして

「ヌウ」と言ったので決まりました。

 

ぬうは、自分の役割を心得ていて、

子どもの乳母的存在で遊び相手をとなってくれました。

私は食事の用意をするだけでした。

フィラリアの飲み薬も普及していなかった時代です。

たいていの犬は、フィラリアで

5~6歳くらいで死んでいきました。

子どもたちは、ヌウと山歩きをしたり、

三輪車を引っ張ってもらって

町内を走り抜けたり、思い出がいっぱいでした。

 

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それから数年後、

親戚の家で雑種の小犬が何匹も生まれたので、

その一匹をもらい受けました。

4代目。名前はノアクロウ。

真っ黒で、父さんはクロウと名付けようとしましたが、

姉ちゃんは「ノア」がいいと、譲りません。

 

そこで、母さんの一声。

「ノアクロウ」にしたらいいんじゃないの。

 

雑種犬は、成長すると

思いもがけない見目形に成長します。

ノアクロウは、足が長くなり、シャープな体型。

 

「甲斐犬ですか?」と聞かれることもしばしば。

とてもやさしい子に育ちました。

 

名付け親の長女が学校でいじめにあって

帰って来た時、長女のそばから離れず慰めてくれました。

ぬうのときのような乳母的役割をしてくれました。

ノアクロウは12歳で亡くなりました。

この子も狂犬病の予防注射しかしませんでした。

昔風の飼い方でした。

 

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ノアクロウが11歳を過ぎたころ、

父さんが、まだ乳離れしていない小犬をもらってきました。

この子も雑種です。

「ノアクロウは賢いし、やさしい子だから、

ノアクロウに育てさせよう」

父さんのの見識は当たりました。

 

出産経験のないノウクロウが、

おっぱいを飲ませて育てたんです。

驚きました。

 

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寒さに向かう11月。

日中は、庭でじゃれ合って、

夜はリビングルームが見える硝子戸の向こう

風雨がしのげて、家族の姿が見える場所。

 

ノアクロウに抱かれて幸せに育ちました。

 

もらわれて行った先に、里親がいるなんて、

なんとラッキーなことでしょう!

 

もしかしたら、おじゃるは、

兄弟の中でいちばん幸せな子だったかもしれません。

兄弟の中では、きっと一番長生きしたでしょう。

 

2022年の正月の記念写真

1月は、とても元気で高齢犬とは言えませんでした。

おせち料理もおじゃる用に、姉ちゃんが作って、一緒にお正月を祝ったんです。

 

まさか、8カ月先に、急激に弱ってしまうなんて。

 

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おじゃるの時代には、犬はペットと呼ばれるようになって、

室内飼いが増えてきました。

 

おじゃるも15歳で大病につぐ、大病をしたあと、

獣医さんから室内で飼うようにと言われました。

「冷暖房じゃないと、高齢犬には体に負担が行くからね」

 

5歳までは、庭飼いで、抵抗力と免疫力をつけたと思います。

だから病気もしなかったんだと思います。

 

室内飼いになると、飼い主との接触が一気に増えて、知恵が発達しました。

感情表現が豊かになったのです。

目の輝きが違ってきました。

私が台所に立つと、寄って来て付きまわります。

あたしのお料理、今日は何を作ってくれるの?

まるで3歳児を連れた暮らしのようでした。

 

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洋服や着物を着るようになったのも室内飼いになってからです。

着せるととても喜ぶんですよ。

こうして、家の前に出て、

「見て、見て、かわいいって言って」とアピール。

 

愛されている、大事にされている、かまってくれる。

そういう事が、犬と人の関係が深まって行く秘訣なんですね。

おじゃる以前のわんこたちにはしてやれなかった・・・

ごめん・・・

おじゃる以前はスマホの時代ではなかったから、写真も少ない。

簡単にブログにアップもできません。残念、

記憶の中、思い出の中に鮮明ですが。

 

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二カ月くらい前、息遣いが気になって

獣医さんのところに行きました。

血液検査の結果、重度の貧血だと分かり、

「絶対安静よ。動かしたら駄目」

と忠告をもらって、

大好きな獣医さんに丁寧に診察してもらって、

話を聞いてもらって、かわいいお顔で、

獣医さんをじっと見つめる。

動物病院に行くの大好きでした。

 

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夜になると、歩きまわるんですよ。

どういうのかしら、なんだか興奮して落ち着かない。

 

姉ちゃんが「寂しいんだよ。母さん交代。後は任せた」

 

だっこして、子守唄を歌ったり、

子犬時代の昔話をしてやると、

落ち着いてくる。

 

そーっと蒲団の上に寝かしつける。

 

かわいいのよね、

人間の赤ちゃんみたい。

高齢になって赤ちゃん返りしたみたい。

 

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食欲も落ちてきて、

鉄分の含まれている鶏の肝を茹でて、洗って、ペースト状にし、

ほうれん草やブロッコリー、キャベツを茹でてペーストにし、

わかめも水に戻して、ペーストに。

 

(冷凍庫に小分けにして作り置きした物が、いっぱい残ってる)

 

納豆もペーストに。

固いドッグフードも、水でふやかしてペーストに。

固形物を食べなくなってきたので、

いろいろ工夫して、

小さいお皿に入れて

亜麻仁油をたらーとかけて混ぜ混ぜ。

亜麻仁油はお味もアップするんです。

アボガドもつぶして混ぜ込みます。

工夫すると、食べてくれるのね。

努力のし甲斐がある。

アボガドは、涙焼けした目の下の回復に効果がありました。

 

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朝は、涼しい時間に外で朝食。

おさじで、食べさすんです。

ぺろぺろと。

山羊ミルクを、哺乳瓶でごくごく。

 

締めは、哺乳瓶に入れたお水で、

お口の中をきれいにします。

 

そして、朝寝を再び。

日が差し込むようになったら、抱っこしてお家に入りました。

 

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抱っこは大好き。

朝は目が覚めるといちばんにお姫様抱っこして

お外に出ておしっこしました。

 

このお姫様抱っこが好きよ。

抱っこだと見える景色が違うもの。

 

そのうちに、おしっこも、

お外に限らず、室内のあちこちに失敗するようになって、

その都度、床掃除。

 

おかあちゃまごめんね。

おしっこしたくなっちゃったら所かまわず出ちゃうんです。

 

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時折、元気だった時のように、

チキンカツや魚のカツを作ると、

どんどん食べてくれてびっくり。

 

キャベツお好み焼きも

フレンチトーストも、

好物を作ると、食べてくれる。

 

 

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今年の1月の食事風景。

大好物のフレンチトースト。

お皿だってかわいい花柄よ。

お台所で食事していました。

 

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でも、

どれもこれも、食べなくなって、

ペースト料理も、ちょっとだけ舐めて、

哺乳瓶での山羊ミルクも、ちょっとしか飲まなくなって、

暑いから、食が落ちたのかしら?

 

と話すようになって、三日目の朝。

姉ちゃんの腕の中で、力が抜けて行って・・・

目にも幕がかかったようになっていって・・・

 

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おじゃるちゃん、おじゃるちゃん、

ありがとうね。ありがとうね。ありがとうね。

おかあちゃまの声を聞きながら、

ノアクロ母さんに抱っこされた時の懐かしさを感じながら、

姉ちゃんに抱っこされて、終わりの時が来てしまった。

 

おじゃる!おじゃる!

姉ちゃんの涙交じりの声が遠くになって行ったよ。

 

その日の午後、おとうちゃまの車に乗って、ペット霊園に。

 

おじゃるのお骨は、今、リビングルームに。

埋葬の日は未定。

 

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